きさげ加工|熟練された職人による手作業の金属加工

きさげ加工

きさげ加工とは、熟練された職人による手作業の金属加工で、機械加工の精度を超えてμmレベルの精度を目指す加工方法である。通常、木材をノミで削るようにキサゲ(スクレーパ)という工具で金属の表面を削りとる。職人それぞれのノウハウがあるが、基本的には凸部分を削りとることで平面度直角度真直度の精度出しを行う。

きさげ加工の目的

きさげ加工の目的は、精度の高い正確な平面や曲面を得るである。機械加工した平面や旋盤で仕上げた軸受内面の精度を仕上げることができる。

加工方法

工作物の表面に光明丹と呼ばれるオレンジ色の塗料を薄く塗り、定盤もしくは基準となる治具とこすり合わせる。平面の定盤に擦りあわせることで、凸の部分の塗料がとれて金属の地肌がでる。一方で凹の部分は削れずにオレンジ色の部分が残る。そこで塗料のとれた凸の個所を、スクレーパと呼ばれる工具を使って部分的に1μm単位で削っていく。これを繰り返すことで、次第にオレンジ色が全体に広く薄く均等に残いき、すべてオレンジ部分になると、精度の高い平面に仕上がっていく。

油だまり

完成した面は、油だまりと呼ばれる、うろこ状の微小なくぼみが残る。うろこ模様の数が多いほど接触面は多く、精密な面である。作業者によってうろこ模様の特徴が異なる。

潤滑効果

表面の油だまりの深さは、1~2μmのレベルとなる。このうろこ状のくぼみに潤滑油が入ることで、摺動部のスムーズな動きを促進するとともに摩耗対策に効果がある。

三面擦り

三面擦りとは、三面で行うきさげ加工で、AとBの2面で行うより精度が高い。きさげ加工したときに、A、B、Cの三枚を交互にすり合わせて行い、それぞれより精度が高い平面が得られる。包丁を研ぐ砥石の平面出しはこの方法がとられる。

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