純鉄|Fe,JIS

純鉄

純鉄とは炭素(C)をほとんど含まない、純粋な鉄(Fe)である。工業用の意味では、フェライト(αーFe)常温でα鉄からなる、高純度99%の鉄のことをいう。日常生活では純鉄はほとんど使用されていなく、たいてい鉄と呼ばれている素材は炭素(C)を含ませた炭素鋼である。

製造方法

工業的に製造する純鉄は、原料として良質の鉱石、鉄屑、ルッペ、海綿鉄を用い、電解による方法で製造する電解鉄、熱分解法という方法で製造するカーボニル鉄、塩基性平炉で溶解した屑鉄から製造するアームコ鉄、鍛造で鍛えて炭素(C)や不純物を絞り出して製造する錬鉄がある。さらに真空溶解で精製造塊、または粉状原料で粉末冶金により成形する。

純鉄の性質

純鉄の性質は、引張強さは弱く、極めて軟らかく、のびが大きく展延性に優れている。純鉄は、一部で絞り加工した製品(ドリンクの缶など)や、箔にして珍しい切手に使用した例はあるが、日常ではほとんど使われていない。

結晶構造

純鉄の同素変態

純鉄の同素変態

純鉄は、条件に応じて複数の異なる結晶構造を特徴としている。純鉄を融液の状態から温度を下げていくと、1535°Cで凝固し、このときの結晶構造は体心立方格子である。さらに温度を下げていくと、1394°Cで結晶構造が面心立方格子に変化する。これをA4変態といい、純鉄はδ鉄からγ鉄になる。
さらに温度を下げていくと、911°Cで結晶構造は面心立方格子から再び体心立方格子に変化する。これをA3変態といい、y鉄はα鉄になる。このように固相の中で状態が変化することを同素変態という。
金属は加熱すると膨張するが、結晶構造が変化するA4点とA3点では、より大きな変化が生じる。すなわち、鉄になるときには大きく収縮し、その後も少しずつ収縮を続けるが、γ鉄がα鉄になるときには再び膨張する。

純鉄の磁気変態

純鉄(Fe)は磁石に引き寄せられることが知られているが、磁化(磁性をもつこと)の強さは温度の影響下にある。常温では強磁性体であるが、加熱していくと約770°Cで常磁性体(外部からの磁場がないと磁性を持たない)性質に変化する。

磁気変態

磁気変態

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