物象化|マルクス

物象化 Versachlichung,Verdinglichung

物象化とは、人と人の関係が、物と物の関係としてあらわれることである。マルクスの主著『資本論』の中でこの用語が使われている。マルクスの他、哲学者のジンメルや新カント学派のリッケルト、経済学者のマックス・ヴェーバーなどもこの言葉を用いている。

マルクス

マルクス

マルクスにおける物象化

マルクスによれば、資本主義社会における労働は人びとの分業によって実施されるが、ここに資本主義の商品経済によって、社会的分業に基づく人間相互の関係は、人間同士でなく商品の交換を通して結ばれることとなる。ここで本来の人と人との関係が、商品の交換を媒介とした物の関係に変質してしまう形になる。そして、このことは、労働そのものにおいて直接的に結ばれる社会的連帯の喪失を意味する。労働と労働の分業の関係が、商品と商品の交換の関係になり、社会的分業を通じた労働の社会的性格は、その労働によって生産された商品の交換価値として現れる。

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