片持ちはり cantilever
片持ちはりは、片側が固定されたはりである。片持ちはりの固定側には反力とはりを回転しようとするモーメントが作用することになる。荷重には、一点に集中すると集中荷重と全体的に分布する分布荷重の二種類がある。荷重に長さを掛けたものをモーメントというが、それぞれにもモーメントがかかる。力は荷重がかかるところと、固定する場所にその反力がかかるために、せん断力がかかるが、それを表すのがせん断力図(SFD)である。モーメントがかかるところのグラフを曲げモーメント図(BMD)という。
荷重の種類
片持ちはりに働く荷重は集中荷重、分布荷重、その両方の荷重が加わるケースが代表される。分布荷重でも等しくかかる荷重を等分布荷重という。
せんだん力・曲げモーメントの符号
荷重が働くとせん断力(せん断しようとする力)と曲げモーメント(曲げようとする力)がかかる。このときの符号は任意で決まっていないが、ここでは下記で説明する。
集中荷重の片持ちはり
集中荷重は一点に荷重が集中されるような片持ちはりで、下記のようなグラフになる。
せん断力図(SFD)/曲げモーメント図(BMD)
せん断力を表した図示したものをせん断力図(SFD)、曲げモーメントを図示したものを曲げモーメント図(BMD)というせん断力図はF=-Raにより水平方向に直線を描くグラフになる。モーメントは、-Ra×Lになっているので、比例を示す直線を描くグラフになる。
2つの集中荷重の片持ちはり
2つの集中荷重の片持ちはりは、下記のようなモデルになる。せん断力に関しては2つのRa,Rbを単純に合計させた値になっている。また、モーメントもまた二つのMa,Mbを合わせた値となる。
せん断力図(SFD)/曲げモーメント図(BMD)
せん断力図(SFD)と曲げモーメント図(BMD)は下記のようになる。どちらもそれぞれの集中荷重の片持ちはりを合わせたような形となる。
等分布荷重の片持ちはり
等分布荷重の片持ちはりは、片持ちはりに等しく荷重がかかっているときの片持ちはりである。
せん断力図(SFD)/曲げモーメント図(BMD)
せん断力図はF=-wLにより比例の直線を描くグラフになる。モーメントは、-wL²になっているため二次関数比例を示す。
いくつかのケース
片持ちはりのその他のケースを下記でまとめた。
片持ちはりのたわみ
片持ちはりがどの程度たわむかをおおよそ算出できる。たわみ量とその角度をそれぞれたわみ、たわみ角といい、この係数はそれぞれの形状によって決まっている。