熱通過
熱通過とは、高温の流体から、低温の流体へ固体壁を挟んで熱移動が生じる現象のことをいう。冷却用のパイプなどが例に挙げられる。固体内の熱伝導と流体内の対流伝熱が生じている。下の図は、温度の高い流体から板を挟んで冷たい水に移るケースである。例えば外気温により、部屋が暖められる、湯銭(温水)で調理する料理などが熱通過といえる。
熱抵抗
それぞれの物質には熱に対して、それぞれの抵抗を持つが、熱抵抗と伝熱量と温度差の関係は次式で表される。
それぞれの熱抵抗
それぞれの熱抵抗はそれぞれ次の値になる。そして、それらを合計する。
流体①の対流熱伝達
板②の熱伝導
流体③の対流熱伝達
熱抵抗R
「流体①の対流熱伝達」、「板②の熱伝導」、「流体③の対流熱伝達」より、熱抵抗は下記の通りに表される。
単位面積あたりの熱抵抗
単位面積あたりの熱抵抗は下記の通りになる。
熱通過率
単位面積当たりの熱抵抗の逆数をKとすると、Kは次式で表される。このKは熱通過(熱通過係数)で、単位は[W/(m²・K)]で、この値が大きいほど熱が移動しやすくなる。