引張強さ
引張強さは、機械材料の持つ機械的性質のひとつで、材料の応力(引っ張る力)に対する最大強度を示している。引張強さの単位は N/mm2または Pa(パスカル)で表す。引張強さが高ければ高いほど、材料に対しての強度は強く、たとえば、引張強さの高い機械材料で構造物をつくる際は、安全性が確保される。
引張試験
引張試験とは、材料の機械的性質を測る試験である。一般的な引張試験では、主に4号試験片(JISにより規定)を使用し、両端から引っ張ることによって、その試験片の状態を見る。
応力―ひずみ線図
応力―ひずみ線図とは、引張試験の結果を表した線図で、引張強さを表すものとして、最も知られている指標である。横軸にひずみ、縦軸に応力を表しており、試験片ののびが大きいときは横方向の値が大きくなる。下記は軟鋼の応力―ひずみ線図であるが、軟鋼の試験片を引っ張ると、破断にいたるまで比例限度→弾性限度→上降伏点→下降伏点→極限強さを経て、やがて破断点で試験片が破断する。
- ひずみ:材料に外力が作用したときの変形量を初期の寸法と比較した割合
- 応力:単位面積当たりに作用する荷重の大きさ
- 比例限度:応力とひずみが比例して直線的になり、引張力(応力)を0に戻すと、ひずみも0になる。
- 弾性限度:弾性限度を超えて応力をかけると塑性変形し て、ひずみが戻らず、試験片はのびたままになる。
- 極限強さ(最大応力):下降降伏を超えても、さらに引張力を大きくした以降の最大応力で材料の引張強さを示す。
- 破断点(破断応力):試験片が破断する
引張強さの単位
引張強さの単位は、N/mm2またはPa(パスカル)である。
引張強さ
変更なし: 引張強さは、機械材料の持つ機械的性質のひとつで、材料の応力(引っ張る力)に対する最大強度を示している。引張強さの単位は N/mm2または Pa(パスカル)で表す。引張強さが高ければ高いほど、材料に対しての強度は強く、たとえば、引張強さの高い機械材料で構造物をつくる際は、安全性が確保される。
破断強さ
破断強さは、破断するときの荷重のことであるが、引張強さと同じように求められる。なお、軸の太さを求めるときは、この破断強さを参考に、より大きな径のものを用意すれば荷重に耐えられることがわかる。
真の破断強さ
真の破断強さは、破断強さのより厳密な計算方法であるといえる。判断するときの太さで求められる。
のび
のびは率として下記で求められる。
絞り
絞りもまた同じように下記で求められる。
ねじの引張強さ
ねじの引張強さも同じように求めることができる。引張力によるねじの破断は大きな事故につながるため、特に安全率ただし、ねじは山と谷でできており、その断面積は径とは異なるため下記を参考のこと。
ねじの断面積
ねじは山と谷でできており、下記で求めるとより厳密に求められる。
有効径、谷の径、山の高さ
有効径、谷の径、山の高さは下記を参考のこと。 下記より大きいねじ径になるとき、ねじ径を参考のこと。
めねじの谷の径D | めねじの有効径D2 | めねじの内径D1 | |
---|---|---|---|
おねじの外径d | おねじの有効径d2 | おねじの谷の径d1 | |
M4 | 4 | 3.545 | 3.242 |
M5 | 5 | 4.48 | 4.134 |
M6 | 6 | 5.35 | 4.917 |
M8 | 8 | 7.188 | 6.647 |
M9 | 9 | 8.188 | 7.647 |
M10 | 10 | 9.026 | 8.376 |
M11 | 11 | 10.026 | 9.376 |
M12 | 12 | 10.863 | 10.106 |
M14 | 14 | 12.701 | 11.835 |
M16 | 16 | 14.701 | 13.835 |
M18 | 18 | 16.376 | 15.294 |
M20 | 20 | 18.376 | 17.294 |
M22 | 22 | 20.376 | 19.294 |
M24 | 24 | 22.051 | 20.752 |
炭素鋼の硬度と引張試験
炭素鋼の場合、熱処理と硬度が高くなるが、硬度が高くなればなるほど引張強さも高くなる。高い引張強さを必要な時は硬度を高くなる加工をすればよい。