平行度|平行を表す幾何公差

平行度

平行度とは、データムと呼ばれる基準に対して、どの程度平行であるかを示す幾何公差である。直線あるいは平面において示される。直角度傾斜度とともに姿勢公差の一つである。平行度の精度を確保ため、基準となるデータム平面の平面度も求められる。

平行度

平行度

平行度の定義 JIS B 0621

平行度とは、データム直線またはデータム平面に対して平行な幾何学的直線または幾何学的平面からの平行であるべき直線形体または平面形体の狂いの大きさをいう(JIS B 0621)

データム平面を基準とした表面の平行度

平面を基準とした表面の平行度は、もっとも一般的に使われる。たとえば、下記の図では、平行度を指示した面を測定した際、データムAに平行で、0.08mmの数値の間にあることを示している。

データム平面に関連した軸線の平行度

軸線の平行度を指示したとき、データムAを基準として、穴の軸線の平行度を1方向に規制することができる。下記の図では、平行度を指示した穴を測定したとき、軸線がデータムAと平行で、数値が0.1mmの数値の間にあることを示している。

データム軸直線に関連した2方向の軸線の平行度

穴の軸直線を基準として、穴の軸線を直交2方向で規制することができる。下記の図では、データムとした軸直線に関連した軸線を直交2方向に規制している。穴の軸線が、データムBに直角で、データムAに平行の幅0.2mm内で、データムBに平行に高さ0.2mm内の直方体の中に入っている必要がある。データムAとデータムBは直交している。

データム軸直線に関連した方向を定めない軸線の平行度

下の図は、データムの軸直線に関連した、方向を定めない軸線の平行度の例である。左の穴の軸直線を軸直線Aとして、右の穴の軸線を方向を定めないφ0.2mmの円筒公差域である必要がある。データムは軸直線Aのみで、方向は定めない。必要な場合は、第2データムを設定する必要がある。

データム平面に関連した1方向の平面の線の要素の平行度

平面を基準として線の要素ととらえて、平行度を指示することもできる。図面では線の要素LE(Line Element線の要素)と指示している。この表記がない場合は、全方向での平行度を意味し、線の要素ELを指示することで方向wを示すことができる。下記の図では、測定した線が、データムAに平行でデータムBに直角で指示された方向にある、0.08㎜離れた平行2直線にある。

データム軸直線に関連した表面の平行度

軸直線を基準とし、表面の平行度を指示することもできる。下記の図では、データムAに平行、0.1mm離れた平行2平面の間にあることを示している。

データム平面に関連した中心面の平行度

平面を基準として、切り抜いた部分の中心面の平行度を定めたものである。データム平面に関連した切り抜き部の中心面の平行度を1方向に規制している公差である。

データム平面に関連した中心面の平行度

平面を基準として、左右2箇所に分かれた穴の軸線の平行度を共通の公差域で指示する方法で、左右の穴をコントロールすることを意図されている。下記の図において両穴の測定した軸線は、データムAに平行、φ0.1mmの同一の径の円筒の中にあることを意味している。したがって、通り違いφ0.1以内で規制されている。CZ表記は、common zoneを意味し、共通であることを指示されている。CZ表記がない場合は、単に左右の穴の軸線のそれぞれに平行φ0.1mmの径の円筒の中に入っていることを意味している。

平行度の測定方法

平行度の測定方法は、ダイヤルゲージやハイトゲージを使った測定方法が一般的で、定盤の上に測定対象物を置いて、ハイトゲージ(ダイヤルゲージ)で測定し、それぞれの位置を測定する方法である。このとき、一番低い測定値との差が平行度となる。また、近年では、3次元測定器を使用した測定方法もある。三次元測定機とは、測定部をポイントやスキャニングで測定して平行度が測定される。前者の測定が技術がいる一方、後者は初心者でも簡単に測定できるため、急速に広まってきている。

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