実体
実体とは、他のものに依存せず、それ自体で独立して存在するものを意味する。
目次
プラトン
プラトンにとって実体とは、理想・普遍的であるイデアであった。我々が物を認識する時、理想としてのイデアを想起して物を認識することができるとした。
アリストテレス
アリストテレスは、師のプラトンが実体を理想的なイデアとしたのに対し、具体的な個物を実体として、色や形などはそれに属する性質であるとした。
デカルト
デカルトは実体をそれ自身によって存在し、そのためにはなにも必要もないものとして定義した。無限実体を神とし、有限実体を精神(心)と物体(身体)に分ける心身二元論を説いた。
スピノザ
スピノザにとって実体は神のみであった。実体のすべてをしることができれば、神を唯一の無限実体とし、精神や物体はその様態とした。
カント
カントは、実体を対象的に認識できるという思想を独断論として批判し、人間に知覚できるものは現象(あらわれ)のみであり、その背後にある物自体は、現象の根源として想定されたものであると説いた。