問答法 dialektike
問答法とは、相手と共同で問いと答えを繰り返しながら、相手に無知を自覚させて、それを出発点に真の知恵を発見させようとするソクラテスの真理の探究方法。ソクラテスは、相手の答えと矛盾事例をあげてその論拠をつきくずし、相手に無知を自覚させて、そのような事例を含むより高い次元の考え方へと導き、魂の徳とは何かについての答えを見出させた。問答法は、自分の考えを押し付けるのではなく、相手に自分の考え方を述べさせて、相手が真の知恵を見出すのを手伝うことなので助産術(産婆術)とも言った。ソフィストの討論の際は皮肉めいた弁論術のように思えるが、助産術(maieutike)と表現したように本来は対話を重ねることを目的としている。
帰納法
問答法は、そのやり方から帰納法的といえる。お互いの対話の中で、具体的な事実や特殊な事柄から出発し、それについてお互いに語り合う中で、最終的には一般的な結論が導かれる