古代エジプトの宗教|多神教とピラミッド

古代エジプトの宗教

古代エジプトの宗教は多神教であった。いろいろな種類の力をもつ神々がおり、自然の動きと原理の化身としての神々を崇拝した。ラーやアモン、オシリスなどの神々がいるが、それぞれの時代、地域、文化、政治情勢により、その神々の地位や形態は変化する。(参考:エジプト文明の歴史

ファラオ(ツタンカーメン)

ファラオ(ツタンカーメン)

目次

ラー(Ra)

ラー

ラー

ラー(Ra)は古代エジプトの多神教の中の主神で、太陽神である。ハヤブサの顔をもち、その頭の上に太陽を象徴する円盤をのせて描かれる。象徴する元素は火、象徴する色は赤とされている。

アモン(アメン)

アモン(アメン)はナイル川中流の都市テーベの守護神であったが、中王国以来最高神とされ、新王国ではラーと結合し、アモン=ラーとして広く普及した。「見ることをできないもの」を意味し、創造神にして天空の神、大気の守護神、豊穣の神であった。8人の神と協力して世界を創造したと伝えられている。

アトン

アトンは太陽で表される神である。アメンホテプ4世が、アモン=ラーを主神とする多神教に反対して、信仰を強制した唯一神である。アメンホテプ4世は神官に対抗するために普及し、遷都を作ろうとしたが、アメンホテプ4世が死ぬと途絶える。

オシリス(Osiris)

オリシス

オリシス

オシリスは死と復活の神、冥界の王で、死後の世界をつかさどり、死者の守護神の役割を果たす。死後の審判を行う。エジプト語ではアサル、アセル、アウサルと呼ばれる。デルタ地方のプシリスや上エジプトのアビュドスで崇拝された。死と再生の神である反面、植物と洪水の神でもあり、ミイラ作成の過程にある秘技の創始者でもある。すべての死者はオシリスによって「声の正しき者である」という判決をうけると、死者の楽園に入ることを許される。

『死者の書』

死者の書

死者の書

『死者の書』とは、オシリスの審判にそなえて、死者の生前の善行さや呪文を神聖文字(ヒエログリフ)で記し、副葬したパピルス文書である。ミイラとともに納めた。冥界の王オシリスの前で山犬の神アヌビスが死者の心臓と真理を象徴する羽根を秤にかけ、知恵の神トトが記録している。心臓が真理より重い、つまり邪悪と判定されると怪物に飲み込まれ、無実と判定される人間として再生できる。これは、古代エジプトの人々の死後の世界の案内書といえ、彼らの来世観・宗教観・道徳観を表している。

ミイラ

棺(ミイラ)

棺(ミイラ)

ミイラは霊魂不滅の信仰から加工保存された遺体で、後世での復活を願い作られたとされる。乾燥した風土とすぐれた保存技術によって可能となった。ミイラは、死体から心臓以外のすべての臓器を取り除かれて作られる。肝臓、肺臓、胃、腸はそれぞれ専用の箱『カノポス』に入れられてミイラと一緒に保管される。なお、古代エジプトのミイラは、王族だけでなく庶民のミイラも作られていた。

ピラミッド

ピラミッド

ピラミッド

ピラミッドは、支配者の遺体(ミイラ)を保存するための巨石墳墓である。第3~第5王朝時代のファラオの遺体(ミイラ)を納めた巨大墓墳である。マスタバ(遺体格納の玄室へ階段または縦穴が通ずる巨石墳墓)を原型とする。エジプト古王国の代表的建造物で、第4王朝でもっとも発達し、クフ王のピラミッドが世界最大である。

クフ王のピラミッド

クフ王のピラミッドは世界最大で現在の高さ約137mm、底辺の一辺約230m、斜辺約180mm、総重量約580万トンで、建設には10万人を動員して20年を要したといわれる。ファラオ権力の絶大さを示すものであったが、第5王朝以降小型化し、その後消滅した。

盗掘

王家の谷の道

王家の谷の道

中王国時代以降のファラオたちは、盗掘を恐れて、テーベ近くの「王家の谷」に磨崖の石室墳墓をつくるようになった。しかしそのほとんどは盗掘をうけている。

スフィンクス

スフィンクス

スフィンクス

スフィンクスは、人間の頭とライオンの胴体を持った像で、王宮・神殿・墳墓の守護神。その顔はカフラー王を模したといわれている。ギザのピラミッド前のものがっとも有名である。

アメンホテプ4世の一神教

第18王朝のアメンホテプ4世(AmenhotepIV)(位前1379頃~前1362頃)は従来のアモン神(Amon)中心の多神教にかえて唯一神アトンAtonの崇拝を強行し、テル=エル=アマルナ(TellelAmarnae)に遷都してみずからもイクナートン(Ikhn-Aton)(「アトンを喜ばせるもの」)と改名した。新しい宮廷を中心に、古代エジプト”>エジプトでは珍しい自由で写実的な美術(アマルナ美術)も生まれた。しかしこの改革は王の死によって終わり、次のツタンカーメン王は都をメンフィスに移し、アモン神の信仰が復活した。