権力の信託|ホッブズ,ジョン・ロック

権力の信託

信託とは、他人を信用して委ねることをさす。権力の信託とは、人民が権力を国家に委ねることによって、自らの安全と財産を保障することをいう。

トマス・ホッブズ

トマス・ホッブズ

ホッブズにおいての国家への自然権の信託

国家ができる以前の人間は、自然状態にあり、万人が万人に対する戦い、つまり互いに各個人が敵意を持って闘争し合う状態にある。このため各個人は契約を結んで身の安全を確保する代わりに、自然権を君主に譲渡し国家を設立する。ここでホッブズは政府にいったん譲渡した権力には、人民は絶対的に服従するべきだと説き、絶対王政の理論的支柱となった。

人々が外敵の侵入からあるいは相互の権利侵害から身を守り、そして自らの労働と大地から得る収穫によって自分自身を養い、快適な生活を送ってゆくことを可能にするのは、公共的な権力である。この権力を確立する唯一の道は、すべての人の意志に結集できるよう、一個人あるいは合議体に、彼らの持つあらゆる力と強さとを譲り渡してしまうことである。『リヴァイアサン』トマス・ホッブズ

ジョン・ロックの権力の信託

ジョン・ロックは生命・自由・平等・財産の所有権という自然権を保障するという契約のもとに政府に信託した権力は、もし政府が権力を濫用する場合には人民の手に取り戻され、人民は政府に対して抵抗する権利(抵抗権)を持つと説いた。

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