万人司祭主義|ルター

万人司祭主義

万人司祭主義とは、神の前では、すべてのキリスト者が平等であるとし、特権的な身分としての聖職者を否定する思想である。万人が自己の内面の信仰によってのみ直接神とかかわり、すべての人が等しく神の司祭であると説く。

ルター

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ルターの万人司祭主義

万人司祭主義は、ルターの根本的な思想として紹介されている。ルターは、キリスト教徒を通して万物の王者という聖書の引用を基礎としてカトリックの聖職者が特権階級として一般の信徒からかけ離れた生活を送っていることを不当であるとした。神への信仰において、すべての信者は教会の権威や教義から自由であり、万人は、自己の信仰心によって直接神とかかわり、みな等しく神の司祭である。これは、カトリックの聖職者の権威を否定すると共に、近代的な自由な個人の自覚を高めた。 万人が自己の内面の信仰によってのみ神と関わり、すべての人が等しく神の司祭である、と説く。ルターの主著『キリスト者の自由』では、聖職者階級が権威を持ち、一般のキリスト信徒は立法や儀式など外面でしかキリストと関わることがない状況を批判的に扱った。

「みんなが祭司である以上、キリストを信ずる者の中で祭司と平信者とその間にいったいどんな区別があるのか。」と君が尋ねるなら、私はこう答えよう。祭司、僧侶、、聖職などという言葉が一般のキリスト者から移されて、今日、僧侶階級と呼ばれる少数の人々にだけ適用されているのは、これらの言葉が不当に使われているからだと。聖書は、学者たちまたは聖職者たちを・・・・・・・キリスト、信仰、キリスト者の自由をほかの人々に説くことを務めとする「奉仕者」「僕」「執事」と読んでいるだけで、何の区別をも与えていない。(『キリスト者の自由』 ルター)