ヴォルテール

ヴォルテール Voltaire François-Marie Arouet 1694.11.21 – 1778.5.30

ヴォルテールは、18世紀のフランス啓蒙思想を代表する哲学者・文学者・歴史家。主著『哲学書簡』、『哲学辞典』、『寛容論』、『カンディード』。本名はフランソワ=マリー=アルエで、ヴォルテールは筆名である。王政の堕落を風刺した作品を書いたために2度バスティーユに投獄された。イギリスに渡って進歩的で自由な市民社会に触れ、ニュートンの物理学やロックの経験論を学んだ。帰国後は、フランスの旧体制を批判し、晩年は、スイスの国境に近いフェルネーに隠退して多くの著作を発表し進歩的な英知の持ち主として尊敬された。自然科学的知識を尊重してディドロらの百科全書派に協力し、宗教的偏狭な教会の横暴を批判して寛容の精神を説いた。また、啓蒙運動を推進して民衆を啓発し、フランス革命に影響を与えた。その反面で。貴族と交際し、宮廷でも活動するなど、複雑な性格の持ち主でもあった。

啓蒙思想

ヴォルテールは、イギリスのジョン・ロック啓蒙思想ニュートンの影響を受け、フランスで啓蒙思想を広めた。学問や政治、宗教の分野で独断論に反対し、人間の自由に賛成する戦いを繰り広げる。なお、哲学の分野では、イギリスの経験論にもとづき、合理主義哲学の先入観を否定し、形而上学に批判をおこなった。

我々は形而上学的著作のほとんどすべての章の最後に,N.L.(non liquet)の二文字を書き加えるべきであろう…つまり、明瞭でないと。

理神論

キリスト教を独断的で不自由、迫害、不正義を生み出す非寛容の根源とし、理神論の立場を取り、自然宗教を支持した。(しかし、民衆には教会の信仰や宗教的迷信も必要だとしている。)

「忌まわしきもの(すなわち教会)を粉砕せよ」

「もしも神が存在しなければ、我々は神を捏造しなければ我々は神を捏造せねばならないであろうが、自然の全体が我々に明らかに伝えているのは、神が実在していることである。」

進歩主義

「われわれは、人間が合理的進化をはじめようとする時代に近づきつつある」と述べ、非合理的なキリスト教の考え方を退け、自然-本性を支配する人間の力を評価した。

『哲学書簡』

『哲学書簡』の中で、フランスの政治体制を旧体制として批判、イギリスの政治と哲学の先進性を賞賛した。

寛容

ヴォルテールは当時の閉鎖的なキリスト教教会や国家の統治において、寛容さが重要であるとしさ。自分にとって善でなかったとしても、寛容さを持ち、自覚的に受け入れなければならない。ヴォルテールの「私はあなたの意見には反対だ、しかし、あなたの主張する権利は生命をかけて守る。」という言葉は寛容さを端的に表している。さらに古今東西、地球のあらゆるところで、自分にしてほしくないことは他者にすべきではないと前置きし、そうだとすれば、宗教的に偏屈になり、お前が俺の神を信じていないなら殺すなどとはいえないだろう、と指摘した。