ポンプ
ポンプとは、回転運動や往復運動などの機械的エネルギーを受け、流体に運動エネルギーや圧力エネルギーを与える機械である。
ポンプの分類
- 直線運動をするポンプ:往復ポンプ
- 回転運動をするポンプ:遠心ポンプ(うず巻ポンプ)、軸流ポンプ、斜流ポンプ、歯車ポンプ
- 運動部品がほとんどないポンプ:ジェットポンプ、気泡ポンプ
ターボポンプ
ターボポンプとは、回転運動をするポンプで、ポンプ回転体に取り付けた羽根車を液体が通り抜け、そのときに羽根車に沿って加速することによりエネルギーを与える機械である。遠心ポンプ、軸流ポンプ、斜流ポンプは揚程が高く、軸流ポンプは揚程が低く流量が大きくなる。
- 遠心ポンプ:流体が羽根の半径方向に流れるポンプ。構造が簡単で故障が少ない。
- 軸流ポンプ:羽根の回転軸方向に流れるポンプ
- 斜流ポンプ:遠心ポンプと軸流ポンプの間のポンプ。
- 渦巻ポンプ:案内羽根を持たないポンプ
容積ポンプ
容積ポンプは、ピストンなどの往復運動、あるいはギヤ、スクリューなどを回転させて液体を移動させるポンプである。流体を強制的に移送できるポンプで、ターボポンプに比べて揚程を高くすることができる。
揚程
揚程とは、ポンプがくみ上げる高さのことで、大きく全揚程と実揚程に分けられる。全揚程とは、流体がポンプから受け取る全ヘッド(全圧/密度/重力加速度)で揚程というときは全揚程を示すことが多い。ただし、実際には数々の損失水頭があるため、全揚程からそれらを考慮しなければならない。実際の揚程のことを実揚程という。
揚程の関係
ポンプ動力
ポンプ動力 P[W] は下記の図式で書かれる。なお、流体効率はポンプ内部のエネルギー損失、体積効率はポンプ内の漏れ、機械効率は羽根車の摩擦、軸受などの機械要素の損失の影響を表している。
ポンプ効率
流体効率:90-96%
体積効率:70-92%
機械効率:85‐95%
比速度
比速度とは、ターボ形ポンプの羽根の性能を表している。単位はrpm,m³/min,mが使われる。比速度が大きくなるにしたがって、遠心ポンプ→斜流ポンプ→軸流ポンプと性能が変化していく。
キャビテーション
キャビテーションとは、液体の圧力が飽和蒸気圧以下に低下すると液体が蒸発、気泡が発生する現象である。腐食や騒音の原因となる。配管の断面積が急変化するところや直角の曲がり角に発生しやすい。
ウォーターハンマー
ウォーターハンマー(水撃)は管内を流れていた水が急にせき止め場合に圧力が急激に上昇する現象をいい、急激な水圧の上昇は管の破壊や損傷につながる。