ホーニング
ホーニングとは、主に金属部品の内径を精密に加工し、表面の凹凸を整え、滑らかで高精度な仕上がりを実現する加工技術である。特にシリンダー内壁やパイプの内径を研磨する際に使用される。ホーニングは、研磨工具であるホーン(ホーニングストーン)を回転・往復運動させることで、加工面を滑らかにし、寸法精度を高めるだけでなく、優れた表面粗さを実現する。自動車のエンジンシリンダーや油圧機器など、高精度な加工が必要な部品に広く利用されている。
ホーニングの基本的な仕組み
ホーニングの仕組みは、3~6個の角形状の砥石を取り付けたホーン(ホーニングストーン)を加工物の内径に挿入し、回転と往復運動を組み合わせて表面を研磨するというものである。ホーンは、ダイヤモンドやCBN(立方晶窒化ホウ素)などの硬い研磨材が使用されており、加工面を細かく削り取っていく。ホーニングは、切削による荒加工後の仕上げとして行われることが多く、寸法精度や真円度、真直度などを高いレベルで整えることが可能である。

加工方法
ホーニングの加工方法は3~6個の角形状の砥石を取り付けたホーン(ホーニングストーン)という工具を、ばねなどで穴の内壁に圧力をかけながら、回転と同時に往復運動をさせることで円筒の内面を削っていく。加工公差が小さく真円度の高い精密な仕上げを行う加工方法である。多量生産する場合は、ホーニング盤で行う。
ホーニング加工、楽しい。
ただの横キズにならないよう、ドリルの回転速度と上下のスピードを調節して浅目のクロスハッチが付くように。クリアランスは勘で pic.twitter.com/Kqw5ow1jf7— BorohachiZ (@gasguzzlercar) February 23, 2024
下地加工
リーマ加工や中ぐりといった内面研削といった下地加工を事前に行う必要がある。そうした穴をさらに精密に仕上げる精密加工で、加工面を滑らかにし、寸法精度を高めるだけでなく、優れた表面粗さを実現する。
クロスハッチ(加工後の内面)
仕上げ面には網目状の細かい筋 (クロスハッチ) が入いる。摺動する部品にホーニングを行うと、クロスハッチに潤滑剤がしみ込み、低摩擦、耐摩耗の効果が期待できる。
ついでに初ホーニング!
全然クロスハッチにできない件… pic.twitter.com/rawMpnXlgt— どい (@Ir2_ps) February 9, 2024
切削液
砥粒や切りくずの除去や冷却のために大量の切削液が用いられる。
久しぶりのホーニング盤😁 pic.twitter.com/Sxi9CFDD1I
— (株)松永製作所 (@matsunaga_ss) August 5, 2024
ボーリング・リーマ加工の違い
ホーニングは、ボーリングやリーマ加工と比較されることが多い。ボーリングは、粗加工に適しており、大きな材料を削り取るのに向いているが、ホーニングはより精密な仕上げ加工に適している。リーマ加工も精度の高い仕上げ加工に使われるが、リーマ加工に比べて、より高い表面品質と真円度を実現できる。したがって、ホーニングは最終仕上げとして、特に高精度が求められる場合に選ばれる。
ホーニングの工程
粗い面への加工は不適切なため、事前に十分に内面研削をして下地を済ませておく。まず、荒ホーニングで大まかな研磨を行い、表面の大きな凹凸や加工誤差を削り取る。次に中仕上げでさらに精度を高め、最後に仕上げホーニングを行う。この最終工程では、微細な表面の凹凸を滑らかに整え、最終的な寸法精度や表面粗さを確保する。ホーニングは、微調整を行いながら工程を進めることで、高精度な加工が可能となる。
お休みなのでホーニングの回転ゆっくり目な加工動画を😊
品物が大きいので加工面がよく見えます✨回転しながらの加工なので加工目は旋盤の時のように綺麗な円を描くようになってます!
うっすら加工目が見えるのわかります?
ワークの内径が綺麗になってまるで鏡みたい☺️#工作機械 pic.twitter.com/aTbO9zMwMU— まさる部長@協和製作所の熱量高めな採用担当 (@kyowa_ss) September 17, 2023
加工の特徴
ホーニング加工の表面粗さは算術平均粗さRa0.1~0.4μm程度である。また、真円度や真直度の向上が期待できる。
仕上しろ
ホーニングはわずかに削り取っているため、仕上前の段階で仕上しろを残しておく必要がある。わずかにしか削れないため、あまり仕上げ代を残しておくと加工に時間がかかる。
仕上しろの目安(㎜)
| 工作物の内径 | 鋼 | 鋳鉄 |
|---|---|---|
| φ25-φ150 | 0.008-0.04 | 0.02-0.1 |
| φ150-φ300 | 0.04-0.05 | 0.1-0.17 |
| φ300-φ500 | 0.05-0.06 | 0.17-0.2 |
メリットとデメリット
ホーニングのメリットは、内径加工において非常に高い精度と優れた表面粗さを実現できる点にある。特に、真円度や真直度の改善に優れており、エンジンシリンダーのように高精度が求められる部品に最適である。デメリットとしては、他の加工方法に比べて時間がかかりやすいことや、専用の設備と技術が必要である点が挙げられる。また、加工対象が限定されるため、平面加工や外径加工には適用できない。
ホーニング機
ホーニングに使用される機械には、主に垂直ホーニング機と水平ホーニング機がある。垂直ホーニング機は、主にシリンダーのような垂直方向の内径加工に使用され、回転と往復運動によって精密な仕上げを行う。一方、水平ホーニング機は、長いパイプやシャフトの内径を加工するのに適しており、水平に設置されたホーン(ホーニングストーン)が回転しながら加工を行う。また、ホーニング機には手動操作と自動制御の両方があり、用途や加工精度に応じて選ばれる。
Watch as the process of honing helps with the lubrication of the piston rings. 🥰
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🎥 andreassjoodin/ Instagram#engineering pic.twitter.com/gMRpnrDhvf
— Interesting Engineering (@IntEngineering) January 10, 2021
工具と素材
ホーニングに使用される主な工具は、ホーン(ホーニングストーン)であり、通常はダイヤモンドやCBN(立方晶窒化ホウ素)などの超硬研磨材で作られている。これらの素材は、非常に高い硬度を持ち、金属の表面を微細に研磨することが可能である。ホーンは、加工対象の材質や仕上げ精度に応じて選ばれ、加工する金属や合金の硬度に対応したものが使用される。
用途
ホーニングは、内燃機関や油圧シリンダの内面、高精度ギアの穴加工など、円筒内面の精密仕上げに用いられる。これらの部品では、内径の寸法精度や表面の滑らかさが機能に直結するため、ホーニングの高精度な仕上げが不可欠である。
環境への配慮
ホーニングでは、加工中に使用する研磨液や冷却剤の適切な管理が求められる。これらの液体は加工時に摩擦を抑え、工具の寿命を延ばすために使用されるが、使用後の廃液処理が環境に与える影響を考慮する必要がある。近年では、環境に優しい研磨液の使用や、廃液をリサイクルするシステムの導入が進んでおり、持続可能な加工技術としてホーニングを行う企業が増えている。