ホルクハイマー|フランクフルト学派の指導者

マックス・ホルクハイマー Max Horkheime

ホルクハイマーは、フランクフルト学派のドイツの哲学者・社会学者である。主著『理性の腐食』、『啓蒙の弁証法』(アドルノとの共著)。
フランクフルトの社会研究所の初代の所長となり、アドルノとともにその指導的立場にあった。ナチスによるユダヤ人の公職追放によって、アメリカに亡命し、戦後帰国して研究所を再建した。カントヘーゲルマルクスに代表される古典と新しい学問である社会学や心理学との融合をめざした。また、社会の現実を自明のものとして実証的に分析する実証主義・科学主義に対して、あるべき理念から社会の現実を批判する実践的な批判理論を展開したことも広く知られる。

マックス・ホルクハイマー

マックス・ホルクハイマー

ホルクハイマーの生涯

ドイツのユダヤ人の企業家の家に生まれた。フランクフルト大学に入り、カント研究を行った。1931年、フランクフルト大学附属社会研究所の所長になった。1934年、アメリカに亡命するが、研究を続けた。戦後フランクフルトに帰り、学長も務めた。同僚のアドルノと亡命先のカリフォルニアで書いた『啓蒙の弁証法』(1947)では、啓蒙的理性が、人間性の圧殺と文化の貧困化を生む支配の思想に堕して、道具的理性だけが理性の形態になってしまった過程が論じられた。

道具的理性

道具的理性とは合理的で自由な社会の中で、自然を支配するための技術的な「道具」と化した理性である。啓蒙主義、科学革命、資本主義社会の影響により、人間は道具として理性を扱うようになる。ホルクハイマーはファシズムによる野蛮の原因が、この道具的理性が人間を支配し、管理したためであるとした。

マックス・ホルクハイマー

マックス・ホルクハイマー

批判的理性

批判的理性とは、道具的理性が支配的思想を理論的に構築するための道具・手段となる理性であるのに対して、道具的理性が築いた支配的思想の問題点・矛盾点を暴露するための理性である。そのためには、支配的思想が依拠する学問的な枠組みを解体する批判的思考を展開しなければならない。アドルノとホルクハイマーは、フランクフルト社会研究所において全体主義の矛盾を指摘し、その管理的・権威主義的性格を究明し、西欧近代思想の限界を問う批判理論を構築した。

『啓蒙の弁証法』

『啓蒙の弁証法』(1947年)はアドルノとホルクハイマーの共作である。全体主義の問題の原因を近代思想である啓蒙主義とした。啓蒙主義の発展は人間が中心として、自然は理性によって支配されるものとして確立していった。しかし、この「人間による自然」の支配は、啓蒙の弁証法によって「人間による人間の支配」に転化してしまうとした。

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