ホメロス|古代ギリシアの吟遊詩人,ギリシア神話

ホメロス Homeros

ホメロス Homeros 生没年不詳。前8世紀頃に活動したとされる古代ギリシアの盲目の詩人だが、実在も含めてよくわかっていない。主著は『イリアス』『オデュッセイア』であるが、多くの歌い手によって吟唱されるうちにしだいに潤色されて後世に伝えられたと推測され、ホメロスの作かどうかも定かではない。人間のような感情や意志を持つ擬人化された神々が登場する叙事詩の中で知恵と勇気を武器に過酷な運命に立ち向かう英雄たちの姿を描く。

『オデュッセイア』ホメロス
『オデュッセイア』ホメロス

目次

『イリアス』 lias ホメロス

ホメロスの作と伝えられる叙事詩。ギリシア最古の叙事詩。題名は、トロイ(トルコの北西海岸のダーダネルス海峡のあたり)の別名イリオンに基づく。「怒りを歌え、女神よ」で始まる。トロイの王子パリスがスパルタの王妃へレネを誘惑して連れ去ったことから、アガメムノン率いるギリシア軍がエーゲ海を舟で渡り、トロイとのトロイア戦争が始まった。物語は、ギリシア軍がトロイの城を包囲した10年目の年の49日間の出来事を描いている。戦線を離脱したギリシアの英雄アキレスは、友人パトロクルスの死の知らせに再び戦場にもどり、トロイの王子へクトールと一騎打ちをしてこれを倒す。やがて、ギリシア軍のつくった木馬(トロイの木馬)の腹にかくれた兵士によってトロイの城は燃えて陥落し、ギリシア軍の勝利に終わる。英雄の運命や行為の結果は神がみの意志によって決められるという神話的世界観があらわれている。

『イリアス』 ホメロスからの引用

怒りを歌え、女神よ。ペレウスの子アキレウスの——アカイア勢に数知れぬ苦難をもたらし、あまた勇士らの猛き魂を冥府の王に投げ与え、その亡骸は群がる野犬野鳥のくらうにまかせたかの呪うべき怒りを。かくてゼウスの神慮は遂げげられていったが、はじめアトレウスの子、民を統べる王アガメムノンと勇将アキレウスとが、仲通いして袂を分かつ時より語り起して、歌い給えよ。

『オデュッセイア』 Odysseia ホメロス

ホメロスの作と伝えられる叙事詩。オデュッセウスは、ギリシア軍の勝利のために「トロイの木馬」の計略を考案し、もっとも大きな貢献をした。トロイア戦争の後、英雄オデュッセウス人間界の外の世界で、多くの苦難(一つ目の巨人キュクロプス、ロータス(蓮)の実を食べて過去を忘れた人を豚に変える魔女キルケー、美しい声で人を島にひきよせて船を難破させるシレーンなど)を克服し、故郷の島のイタカに帰り着き、その島の王位と、彼の留守の間大勢の求婚者たちに悩まされながら夫の生還を待つ王妃ペネロペを自分の手に取り戻すまでの物語。


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