ヘシオドス|古代ギリシアの吟遊詩人,『神統記』

ヘシオドス Ἡσίοδος, Hēsíodos

ヘシオドスは、ギリシア北部のボイオティア出身の叙事詩人で、前8世紀ごろ活躍した。主著は『仕事と日々』Erga kai Hēmerai、『神統記』 Theogoniā。小アジアのキュメ出身で、農夫の父にと中部ギリシアのボイオチアのアスクラに移住する。『仕事と日々』では、農民の子として生まれた経験から労働の尊さ、農民の日常を歌った、農民の日々の生活が書かれている。『神統記』では、神々の誕生と系譜を辿りながら宇宙の創生を神話(ミュトス)によって説明している。

ヘシオドス

ヘシオドス

『仕事と日々』

『仕事と日々』は、怠け者の弟に与えた数詩の形をとり、農民の日常生活を歌い、勤勉に働くことの尊さを諭愛したへシオドスの作品である。人類の時代を金・銀・銅・英 雄・鉄の五つに分け、現在を人間が堕落した鉄の時代であるとした。前半では。そのような時代にあって、勤勉な労働が幸福をもたらすと教え、後半では、農耕と航海の教え、結婚と友情の教訓、物忌みや吉凶の日の暦が歌われている。

『神統記』

『神統記』とは、古代ギリシアの神々を一つの系譜にまとめ、宇宙の創造を統一的に歌ったへシオドスの詩である。天地創生以来の神がみの系譜を語った教訓詩。ギリシア神話の主神ゼウスをたたえた。

『神統記』のあらすじ

まず最初にカオス(混沌)が生じた。さて次に胸幅広いガイア(大地)とその奥底にある薄暗きタルタロス(地底)が生じ、また、不死なる神々、すべての人々の胸の内なる心と賢き諌めとを打ち負かすエロスが生まれた。なお、カオスからはエレボス(闇)と真黒きニュクス(液)とが生まれた。ニュクスからはさらにアイテル(光)とヘメレ(昼)が生まれでた。・・・さて、ガイアはまず初めに自分と同じ大きさの星に充ちたるウラノス(天空)を生んだ。しかるにその後ウラノスとともに寝て、深く渦巻くオケアノス(大洋)を生んだ。・・・これらのあとから末っ子の悪知恵たけたクロノス(時間)、こどもの中で一番怖るべき者が生まれた。この者は強壮な父親(ウラノス)を憎んだ。

『神統記』からの引用

ここを出で立ち深い霧につつまれ
夜の道を進みながら 艷やかな声あげて
彼女たちが讃えまつるのは 神楯もつゼウス
黄金の沓はアルゴスの女神 畏いヘラ
神楯もつゼウスの娘 輝く眼のアテナ
・・・
また畏いテミス 目配せ 巧みなアブロディテ
黄金の冠つけたヘベ 美しいディオネ
レト イアぺトス 悪智恵長けたクロノス