セラミックスの用途

セラミックスの用途

セラミックスは耐摩耗材、耐熱材、絶縁性、錆びないなどの特性から、耐熱材料、発熱材料、耐摩耗材料、磁性材料、光学材料、電気電子材料として、しばしば機械材料として使われる。生活に身近な使用方法では、人工関節などの生体材料として使われている。

1-1.耐熱強度材料としてのセラミックス

セラミックスは耐熱性に優れ、1000℃以上しかもたない合金鋼よりも、高温において強度を保つことができる。窒化ケイ素(Si3Na4)や炭化ケイ素(SiC)などのセラミックスは、1200°C以上でも強度の低下がなく使用することができる。また電気に対して高い抵抗値をもつことから発熱体としても使われている。

2-1.磁性材料としてのセラミックス

磁性をもつセラミックスがある。微弱な磁場でも磁化するソフトフェライトと強い磁場を与えないと磁化しないハードフェライトがある。

2-2.ソフトフェライト

ソフトフェライトは、軟質の磁性材料であり、高周波用の各種トランス(変圧器)、磁気ヘッド、ノイズ対策用部品などに幅広く用いられている。その中でも、コンピュータのハードディスク装置の薄膜磁気ヘッドに用いられているのが、チタン酸カルシウム系やMnO-NIO系のセラミックス基板である。これらには、表面が平滑で、残留ひずみのない品質が要求されると同時に、磁気記憶媒体に対する耐磨耗性など、動作時に必要とされるさまざまな特性が要求される。

2-3.ハードフェライト

ハードフェライトは、一度磁化すれば強い磁場が残留する特徴があり、モータやマイク、スピーカなどの永久磁石に用いられている。

3-1.光学材料としてのセラミックス

セラミックスの光学的な性質とは、光の透過率、吸収率、反射率、屈折率などがあげられる。代表的な光学材料として、ガラスや光ファイバーなどがある。

3-2.ガラス

ガラスは二酸化ケイ素(SiO2)を主要な成分として、結晶化することなく冷却した無機材料である。ただし、厳密にはガラスの定義は難しく、ガラス転移現象を示す非晶質固体(アモルファス)という分類もある。

  • 板ガラス:窓ガラスなどに用いられガラス
  • 強化ガラス:高層ビルやドアのガラスに用いられる強化ガラス

3-3.光ファイバ

光ファイバとは、0.1mm程度のガラス繊維である。光ファイバによって光通信が可能となり、世界中に光ファイバケーブルが張り巡らされている。
光ファイバケーブルは、電気信号を流して通信する銅(Cu)などの金属ケーブルと比べて信号の減衰が少なく、超長距離でのデータ通信を可能とする。また、電気信号と比べて光信号のもれは遮断しやすいため、光ファイバを大量に束ねても相互に干渉しない。

4-1.電気電子材料としてのセラミックス

セラミックスの多くは電気を通さない絶縁体であるが、特殊なセラミックス中には半導体性、圧電性などの電気電子特性をもっている。半導体部品や各種センサなどの開発も進められている。

4-2.誘電性

セラミックスは材料に電圧を加えた瞬間と、電圧をとりのぞいた瞬間に電流が流れるという、誘電性を強くもっている。電流がまったく流れないのではなく、瞬間的に流れるため、電気電子材料として利用されている。チタン酸バリウム(BaTiO3)は、携帯電話などのIT機器のコンデンサの材料などとして、幅広い分野で用いられている。

4-3.圧電性

セラミックスには圧電性がある。チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Ti・Zr)O3は力を加えると瞬間的に高電圧を発生し、また逆に電圧をかけると伸び縮みする、圧電性とよばれる性質をもつ。その用途は、家電製品、時計の電子音源、電話機やリモコンのクロック信号源、インクジェットプリンタのポンプ源、ガスライターの着火源などがある。また、医用診断装置の超音波源や自動車の乗り心地を高める電子制御サスペンションのショックアブソーバなど、幅広く用いられている。

4-4.焦電性

圧電性が力と電気の変換であったのに対して、セラミックスに温度変化を与えたときに、電気分極によって電圧が発生する性質を焦電性という。チタン酸ジルコン酸鉛は焦電性をもつ代表的なセラミックスで、温度センサ、赤外線センサ、火災検出、人体検知、省エネスイッチ、各種セキュリティシステムなどに幅広く用いられている。

5-1.生体材料としてのセラミックス

セラミックスは、医療の場面でも、生体材料(身体に直接接触する材料)として使われている。セラミックスは生体内においても周囲の組織に溶け出したりせず、科学的に安定しており、耐摩耗性にも優れるという特長があることから骨や人工骨、人工関節、人工歯根の代わりとして使われる。なお、医療として使われるセラミックスをバイオセラミックスという。

5-2.バイオセラミックス

バイオセラミックスには、アルミナ(A12O3)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO2)などの生体内不活性型セラミックス、リン酸カルシウム(Ca3(PO4)2)、ハイドロキシアパタイトのような生体内活性型セラミックスがある。アパタイトという言葉は、歯が白くなる歯みがき粉などで知られるようになったが、ハイドロキシアパタイトは組成が歯や骨と同様であることから、骨との結合性がよく、骨折治療などにおいて、骨形成を促進することが期待されている。