チタン(Ti)|軽く、高強度で弾性に富んだ材料

チタン(Ti)

チタン(Ti)は、比重が鉄(Fe)の約60%と軽く、高強度で弾性に富んだ材料である。また、耐食性に優れており、海水に対しても完全耐食であること、低温でも粘り強いことなどの特徴をもつ。しかし、熱伝導率が小さく、熱を保ちやすいため、切刃のかけや工具の摩耗が生まれるため、切削加工には向いていない。また、鋳造や溶接なども不適切である。チタン(Ti)は地球上に豊富に存在しているが、製造が難しいため、レアメタルとして知られている。

チタンの精錬

チタン(Ti)の精錬は、鉱石から鉄分を炭素(C)と熱することで取りのぞき、さらに加熱を続け、塩素(Cl)を通じTiCl4とし蒸留精錬する。これをアルゴン(Ar)中、約900°CでMgと反応させて金属チタンを得る。チタン(Ti)は高温で炭化物や窒化物を発生させるため、排気処理にも手間を要し、精錬にコストがかかる。

工業用純チタン

チタン消費の大部分は、CPチタンと呼ばれている
工業用純チタンは、CPチタンと呼ばれ、耐食性にすぐれた素材である。チタン消費の大部分を示す。チタンの優れた耐食性は、緻密な酸化皮膜としてチタン(Ti)の表面を被覆するTiO2によるものである。似たような働きをした素材として、ステンレス鋼におけるCr2O3、アルミニウム合金におけるAl2O3がある。

医療用チタン

チタン(Ti)は生体適合性に優れ、医療用として人工関節や人工歯根などにも使われる。

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