スプライン
スプラインは、軸線と平行にして等間隔に多数の溝(6~60本)を削り出した軸で、ハブの穴の歯溝にかみあわせてトルクを伝達する機械要素である。スプラインはめあいと呼ばれる、多数の歯がかみあっている構造となっており、力がそれぞれの歯に分散されるため、キーよりも大きな動力を伝えることができる。また、ハブを軸に固定するだけでなく、軸方向に滑らせることもできるため、工作機械・自動車・ヘリコプタなど幅広い機械に用いられる。歯形のかたちにより角形スプラインやインボリュートスプラインがある。
スプライン軸とスプライン穴
スプライン軸とは、数本のキーを等間隔で削り出した軸で、それにあうように溝加工したものをスプライン穴という。スプライン軸には、歯の断面が長方形の角形スプラインとインボリュート歯形のインボリュートスプラインがある。
角形スプライン
角形スプラインは歯の両側面が平行な軸で、歯の数は6、8、10の3種類がある。軸にはめあったボスがあって回転力も伝え、さらに軸方向に移動も可能としたいとき、またはキーによらず軸から容易にボスを抜き取りたいときに用いる。
インボリュートスプライン
インボリュートスプラインは、スプラインの歯の断面形状がインボリュート曲線になっている軸で、角形スプラインに比べて精度がよく強度も大きい。自動調心作用があり、軸と穴で自動にはめあう。モジュールは0.25~10、圧力角は30°、37.5°および45°が規定されている。
セレーション
スプラインより、歯が多い軸をセレーションという。スプラインは軸とハブが滑動し、セレーションは、軸とハブを固着する構造となっている。