クレオパトラ7世|ローマ帝国を翻弄した絶世の美女

クレオパトラ7世

クレオパトラ7世(BC69-BC30)は、プトレマイオス王朝エジプトの最後のファラオで、7か国語を操るほどの教養をもった絶世の美女で知られる。前51年にクレオパトラに即位した。前48年エジプトへ来たカエサルの情婦となり、やがてカエサルの子を連れて、ローマを訪ねた。カエサルが暗殺されると、エジプトへ戻る。カエサルの後、ローマの覇権を争うアントニウスと結婚する。アントニウスがアクティウムの海戦で敗れると、オクタヴィアヌスの愛を得ようと画策したものの、前30年に自殺した。

クレオパトラ

クレオパトラ

語学

ギリシア語、ラテン語、エジプト語、愛知歩顎、ヘブライ語、トログロデュタイ語、シリア語、メディア語を操った。

関係図

クレオパトラの関係図

クレオパトラの関係図

当時のエジプトでは、家系の長女が王位継承権を持ち、長女と結婚しないと王位を持てないため、長男長女との結婚が主流であった。クレオパトラ7世は2人の姉がいるが、古代ギリシア人との子のため排除され、クレオパトラ7世が王位継承権をもっていた。長男はクレオパトラ7世と結婚しないと王になれないため、長男長女との結婚となった。

エジプト王

クレオパトラはプトレマイオス12世の三女として生まれる。父の目にとまり英才教育を受け、帝王学を学んだ。紀元前51年、父親が死ぬと、遺言によってクレオパトラが17歳の時に女王に即位した。7歳の弟プトレマイオス12世と結婚して共同でエジプトを支配する。

クレオパトラ

クレオパトラ

追放

プトレマイオス12世はクレオパトラを追放するが、そこにはプトレマイオス12世の側近たちの計画に基づいて行われた、と推測される。クレオパトラは財力も兵力も限られたものであり、いずれは殺害も懸念せねばらない状況であった。

ポンペイウス

クレオパトラが王に即位した5年後、ローマ三頭政治の一角を担った政治家のポンペイウスがカエサルに追われたため、エジプトに逃げ込んだが、当時、覇権拡大主義のローマに反感をもつ、エジプト人はポンペイウスを殺害した。

カエサル

ポンペイウスを追ってきたカエサルもまた暴徒化した民衆に襲われつつ、王宮に入り込んだが、プトレマイオス12世との盟約の要望を断り、軟禁される。弟プトレマイオス12世との政争の後ろ盾としてカエサルに取り込もうと考えていたクレオパトラは、自ら裸体になって敷物に包ませ、腹心の従者に命じて夜陰にまぎれ、カエサルの部屋に運ばせた。

カエサル

カエサル

プトレマイオス12世の死

クレオパトラの説得されたカエサルは、プトレマイオス12世に、前王の遺言通り、エジプトはプトレマイオス12世とクレオパトラのお二人がおさめるべきであると進言する。この言葉に反感を持ったプトレマイオス12世はカエサルと武力衝突に陥るが、ローマ軍の前で敗れ、戦死した。こうしてクレオパトラはローマの皇帝となりつつあるカエサルを後楯にエジプト内の政争を勝ち抜くことになる。

ローマとの盟約

ある日、クレオパトラは、カエサルをナイル川の船旅に誘い、エジプトの遺跡や田園、富みのすべてを見せ、婚姻というかたちでエジプトのすべてをローマに譲るという提案をカエサルに行う。やがてエジプトローマに征服されることを危惧したクレオパトラは、婚姻により安定した形でローマに吸収されることを望んだと推測される。やがてクレオパトラは、カエサルの子を身ごもり、50歳を超えたカエサルにとって初めてのこどもであった。名はシザリオンといい、男の子であった。

ローマへ

カエサルローマに凱旋すると、まもなくクレオパトラとその子も呼び寄せられた。カエサルの妻との生活に入るが、カエサルの実子シザリオンに対し、政争での敗北を危惧したブルータスによってカエサルが暗殺される。クレオパトラは我が身を案じ、シザリオンとともにエジプトに戻った。

クレオパトラ

クレオパトラ

アントニウス

クレオパトラは、ローマ第二次三頭政治の一角をなすアントニウスに近づき、東地中海に覇を唱えようとしたが、アントニウスはオクタヴィアヌスに敗れ、クレオパトラ自身も毒蛇に胸を噛ませて39歳の命を自ら断った。

あなたの武将としての実力と私のこの富みがあれば、いつかあなたは世界の王となることも夢ではありません。

パスカル『パンセ』

この世のむなしさを知ろうとするならば恋愛を考えてみるといい。「なにか得体の知れないもの」によって引き起こされる驚くべき結果、この何かわからない些細なものが王と軍隊をそして世界を動かすのである。クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら歴史は変わっていただろう。(パスカル『パンセ』

プルタルコスの英雄伝

クレオパトラの美しさは並外れたものではなく、見る人に衝撃を与えるものでもなかった。しかし、打ち解けて話しをするときにクレオパトラが発揮する甘美な魅力は持ち前の優雅さと相まって言葉や仕草に趣を添え、刺激的な誘惑に満ちている。その魅力から人は逃れることはできなかった。