キリスト教の歴史(1/2)|イエスの誕生と処刑

キリスト教の歴史 イエスの誕生

キリスト教は、イエスが救世主であることと、イエスの教えを信ずる宗教である。ユダヤ教の選民思想や形式主義を克服し、世界宗教に発展した一神教である。もともとはローマの東方辺境に出現し、ペテロ・パウロらの使徒の活動によってローマ帝国の下層民に広がり、4世紀末にはローマ帝国の国教となった。その後、ヨーロッパに布教され、世界宗教となる。

パレスチナ

キリスト教ヘブライ人がいたパレスチナで生まれた。もともとはヘブライ人(ユダヤ人)は一神教の宗教を信じ、前6世紀頃、ユダヤ教として確立していた。ユダヤ教は、ヘブライ人(ユダヤ人)の民族宗教で、彼らは不遇の時代であっても信仰を守り、民族としての一体感を失わずにいた。ヘレニズム時代には一時独立したが、やがてローマ帝国の属州となり、ヘロデ王(位前41~前4)のときにはローマ帝国に服属する王国となっていた。

ヨハネ

ユダヤ教では、禁欲的な規範を守らないといけなかったが、洗礼者と呼ばれたヨハネは、王やローマ帝国と友好的な貴族や神殿の祭司らユダヤ教の支配層の堕落を批判し、神の怒りと裁きが近いことを宣言し、悔い改めを勧めて洗礼運動を始めた。ヨハネはヘロデ一族を非難して捕らわれ、殺されるに至る。

イエス

イエス(前7または4頃~後30頃)はヨハネの影響をうけ、後29年ころ、ガリラヤ地方で活動を始め、ユダヤ教の教えを独占しようとするパリサイ派の学者や祭司の律法主義とその堕落を批判した。イエスは社会的な弱者、病人、差別された人々を癒やし、待遇の低かった女性や下層の民衆の多くがイエスを信じた。やがて漁師や収税人らが弟子となる。

イエスの教え

神の愛(アガペー):身分や貧富の差に関係なくすべての人におよぶこと
隣人愛:神を信じて人は己を愛するように隣人を愛し、敵のためにすら祈るべきこと
律法主義の否定:古く厳格的な律法には救いが得られない

救世主

イエスの信者や弟子らは、やがてイエスを神がつかわした救世主(メシア)であるとみなすようになる。一方で、ユダヤ教の権力者である祭司やパリサイ派はイエスを危険視した。また他方では、反ローマ的な民族主義者によってイエスを政治的な指導者として祭り上げようとする動きが見られた。

ピラトゥス総督

イエスユダヤ教の中心地イェルサレムに祭りのために入ったが、現世的な力のある救済者を期待した人々はしだいに彼を離れ、祭司たちはイエスを捕らえ、ローマへの反逆をくわだてるものだとしてローマ総督ピラトゥス(ポンテオ=ピラト)に告発した。

イエスの処刑

イエスは審問をうけたが自分が神の子であるとのみ答えて死刑を宣告され、イェルサレム郊外のゴルゴタで十字架にかけられて処刑された。