キュニコス学派|小ソクラテス学派

キュニコス学派(キニク学派)

アンティステネス(Antisthenes)が創始した学派。キュレネ学派メガラ学派エリス学派に並ぶ小ソクラテス学派の一派である。キュニコス学派は、ソクラテスの実施的側面に重点を置き、知識を重要視せず、徳を修行することに重点を置いた。彼らによれば、徳こそが重要であって、徳があることがすなわち幸せであること(福徳一致)であるとした。徳とはそれ自らで幸福なものとされ、徳の自足(autarkeia)を協調した。アンティステネスは徳が常に人を幸福にするものであるならば、心を乱して不幸を生じさせる一切の欲望を否定することにほかならないと考えた。徳とは無欲であり、心を乱す欲望から開放され、心の内的な自由を得ることが必要である。ここから快楽が否定され、苦行が重視される。

ソフィスト的傾向

快楽が否定され、苦行をつむことが幸福であるならば、ソクラテス的な知は必要とはされにくくなり、その結果、知に対してはソフィスト的な考え方をとり、感覚することのできる個物のみを実在するものと考えた。この点ではソクラテスと大きく異なる。

ディオゲネス

ディオゲネスもキュニコス学派のひとりである。無欲な、犬のような乞食生活を送ったことで有名である。あらゆる人為的なもの(家族制度、国家)を否定し、自然を重んじ、自然に従って生活することを善しとし、本能的生活を送る。