黒陶文化|黄河下流域を中心に栄えた古代中国文明

黒陶文化

黒陶文化(竜山文化)は、黄河文明のひとつの文化である。1930年にその遺跡が山東省歴城県の竜山鎮で最初に発見された文化で、河南・山東省など黄河下流域を中心に、遼東半島から長江流域まで、広い範囲で遺跡が分布している。彩陶文化より進んだ文化と考えられ、に受け継がれていく。

黒陶

黒陶は卵の殻のように薄手の、黒色無地の光沢ある土器で、焼成温度が高いこと(1000°C以上)や腕が用いられていることから、彩陶文化で作られた彩陶よりも、技術的に進んだ段階の土器。黒陶の青銅器の原型になったと考えられている。

灰陶

灰陶は、黄土地帯のほぼ全域から出土する、青灰色の厚手の粗製土器。形状は多様だが、三足土器が多く、縄文文様も多い。新石器時代から青銅器時代にかけて長期間つくられつづけ、今日でも日常品として使用されている。

三足土器

黒陶灰陶の中で、独特の三本足の形状をもつ三足土器見られ、鬲(れき)と鼎(てい)の2種類が代表的である。

  • 鬲:鬲は袋状の足を持ち、湯をわかしたり、穀物を蒸した。
  • 鼎:鼎は棒状の足を持ち、肉などを煮た。

彩陶文化との比較

黒陶文化は彩陶文化に比べて、集落の規模も大きく、牛・馬などの大型家畜も飼育された。占トに使用されたとみられる獣骨も出土している。

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