石器|旧石器時代から新石器時代まで,道具の進化

石器

人間は活動範囲を広げる目的を達成するために、補助として道具を使用してきた。その製作・使用は人類の特性の一つであるといえ、二足歩行にともない、二本の腕で道具を使えるようになった。先史時代の道具の材料は、石・動植物などであり、その中でも石を加工した石器は、先史時代を象徴する道具で、打製石器と磨製(ませい)石器に大別される。

石器

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目次

石器時代からIT時代へ

人類は道具の使用とともにその時代を切り開いてきた。大まかに旧石器時代新石器時代金属器時代、(青銅器・鉄器)とそれぞれの時代で道具の革命が行われてきた。現代は産業革命、IT革命を経てこの革命は進んでいる。

旧石器時代

最初はシンプルな形状の土器であるが、次第に複雑なものとなっていく。旧石器時代は、前期、中期、後期と分かれる。前期石器時代は、猿人原人、中期石器時代は旧人、後期旧石器時代は新人と区分される。この時期の文化の発達は極めて緩慢で、シンプルな形状の打製石器・骨角器を使用しており、狩猟・漁労・採集によって食料を獲得した。石器の利用は、猿人以降の長期にわたる人類文化の第1段階にあたる。

前縄文文化

日本の旧石器時代は前縄文文化や無土器文化などと呼ばれる。ながく日本には縄文文化以前はないと考えられていたが、、1946(昭和21)年に群馬県の岩宿で関東ローム層から剥片石器が発見されたのをきっかけに、全国各地にも土器を伴わない打製石器が発見されている。

石核石器

石核石器は、原石の一部を剥ぎ、核を残した打製石器である。

礫石器

剥片石器は、握斧.握幹(ハンド=アックス)はその代表的な石器で、ヨーロッパ・アメリカ・インドにかけて分布する。自然石を打ち欠いただけのもっとも原始的な打製石器である。自然石との区別が困難なものも多い。

剥片石器

剥片石器は、原石から剥がされた剥片からつくった石器である。毛皮を剥いだり肉を切ったりなど、さまざまな用途に合わせて細工された。そのうちの石刃は新人が考案した代表的な剥片石器である。ヨーロッパ・アフリカ・西アジアに広く分布した。

新石器時代

新石器時代とは、農耕・牧畜開始以後の石器時代をいう。石器は狩猟を中心としたシンプルな石器から、磨製石器と呼ばれる、農耕のための石斧や穀物を潰す石臼、石皿、石杵などに発展。穀物を保存する土器も製作した。日本では縄文時代に当たる。

磨製石器

磨製石器は、砂や低石で研磨した石器である。旧石器時代の打製石器に対して、新石器時代の特徴とされる。農耕の発達に伴って磨製石斧や、穀物をつぶすための石臼・石皿・石杵など、用途に応じて種類も豊富となった。

農耕・牧畜

新石器時代以降、道具としての土器が発達したため、食料取得の主要な手段として農耕や牧畜が有力になった。約9000~8000年前から西アジアから東地中海域を中心に麦の栽培と山羊・羊・豚の飼育が始まった。獲得経済から生産経済に移行し、狩猟・採集にくらべて、生活は安定し、文化も急速に発達した。

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