燃焼|酸素と反応させ、熱と光を発生させる現象の

燃焼

燃焼とは、燃料中の石炭、石油、天然ガスなどの各種の燃料を空気中の酸素と反応させ、と光を発生させる現象のことである。工学的には、このときに発生する反応熱を熱源として利用している。 通常、燃料は炭素と水素を多く含んだ物質でこれを燃焼させることで熱機関やボイラなどの機械を動かしてきたが、そのことで発生した二酸化炭素は地球温暖化の原因となっている。

燃料の種類

燃料は、その状態によって固体燃料、液体燃料、気体燃料に大別することができる。

固体燃料

もっともポピュラーな固体燃料は、石炭で、日本では、1960年代ごろまでは活躍したが、その後は石油が主流になった。石炭の主な用途は、発電、製鉄なで、石炭を蒸し焼き(乾留) にしたコークスとしての頻繁に利用される。石炭のほか、過塩素酸アンモニウムやアルミニウム燃料なども使われる。いずれも性能はよくないが、扱いやすく安全性に優れている。

液体燃料

液体燃料は、原油を原料とする、ガソリン、灯油、軽油、重油などが代表される。発熱量が高く輸送や保管が簡単なので、固定燃料に比べて、広く利用されている。

気体燃料

気体燃料は天然ガスが広く使われており、プロパンガスやLPGと呼ばれる石油液化ガスが使われている。一般で使用されている都市ガスは、天然ガスにLPGやその他のガスを混合して使われている。燃焼効率が高く完全燃焼が得られやすい、有害な排ガスが少ないというメリットがある。

微粉炭燃焼

固体燃料の石炭の燃焼は、蒸発と熱分解によって発生した揮発成分の気相反応と、残った揮発しない炭素の表面に空気(酸素)が拡散して反応する表面燃焼により生じるが、また、石炭を微粉化することで、空気との表面積を大きくすることで効率よく熱を発生させる方法を、微粉炭燃焼という。

蒸発燃焼・分解燃焼

蒸発燃焼とは、液体燃料に代表される燃焼方法で、液相の表面から蒸発した燃料蒸気が空気中の酸素と気相反応することで燃焼することである。分解燃焼は、蒸発燃焼と異なり熱によって燃料成分が分解しながら燃焼をはじめることをいう。

噴霧燃焼

噴霧燃焼とは、ガソリンエンジンのように、燃料を無数の小さな液滴に微粒化して、蒸気が発生する表面積を増加させて燃焼する方法である。

予混合燃焼

予混合燃焼とは、気体燃料を燃焼前に空気とあらかじめ混合させて燃焼させることである。ガソリンエンジンは、予混合燃焼が利用しており、あらかじめ燃料と空気を混合させて霧状に燃焼室に供給してから、圧縮したところを点火プラグで燃焼させる。

拡散燃焼

拡散燃焼は、あらかじめ混合しないで燃料と空気を別々に供給して燃焼室でお互いが拡散しながら混合されて、適度な燃焼濃度になったところで燃焼し始める燃焼方法である。ディーゼルエンジンは拡散燃焼が利用されており、まず空気だけを燃焼室に取り入れ、圧縮して温度が上がったときに燃料を噴霧する。

燃焼の基礎式

工業的には、燃焼の基礎式として、炭素、水素、いおうの三つが代表的なものとなる。

発熱量

標準気圧、燃焼の始めと終わりを0℃の下で、完全に発熱したときに発生する熱量のことを発熱量という。言い換えると、燃料の単位量当たりの燃焼といえる。発熱量の中で、焼成生物の中に可燃物質が残るような発熱量を高温発熱量といい、燃焼ガス中の水が存在する発熱量を低発熱量という。

固体および液体燃料の発熱量

気体燃料の発熱量

燃料効率

空気過剰率の発熱量

完全燃焼・不完全燃焼

燃焼には、完全燃焼(燃料中の炭素と水素がすべてかわって燃焼生成物中に可燃性分を残さない燃焼)と不完全燃焼(未燃焼のまま炭素などの可燃性分を残す燃焼)がある。燃料に対して酸素供給が不十分な場合や燃焼室の温度が低すぎるなどが原因である。

理論空気量

理論空気量とは、単位量の燃料が理論的に完全燃焼する空気の量である。燃焼の時に消費される空気Aと燃料Fの質量の比A/Fを空燃比といい、その逆数でF/Aのことを燃空比という。また、実際に燃焼に使用された空気の量と理論空気量の比を空気比といい、その逆数を当量比という。

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