断面図|切断したように表す製図方法

断面図

断面図とは、モノを任意の箇所で切断したように表す製図方法である。かくれ線では書き切れない複雑な形状のモノにたいし、切断部分を取り除くことによって表す。用途によって、全面断面図、部分断面図、任意の場所を切断する断面図がある。

断面図

断面図は、正面図(他)では本来破線で描かなければならない面を断面として実線で描かれるため、直感的にわかりやすくなる。

切断面の指示

切断面の位置を指示する必要がある場合には、両端及び切断方向の変わる部分を太くした細い一点鎖線を用いて指示する。
・投影方向を示す必要がある場合には、一点鎖線の両端に投影方向を示す矢印を描く。
切断面を識別する必要がある場合には、ラテン文字の大文字などの記号によって指示し、矢印によって投影方向を示し、参照する断面の識別記号は矢印の端に記入する。
・相当する断面図の直下か直上に記入する

ハッチング

1.ハッチングは、細い実線、中心線に対して45°でひく
2.断面図に材料などを表示するとき、図面中にはっきり指示した上で、特殊なハッチングをしてもよい。
3.同じ切断面上に現れる同一部品の切り口には、同一のハッチングを施す。
4.隣接する切り口のハッチングは、線の向きまたは角度を変えるか、その間隔を変えて区別する。
5.切り口の面積が広い場合には、その外形線に沿って適切な範囲にハッチングを施す。
6.ハッチングを施す部分の中に文字、記号などを記入する必要がある場合には、ハッチングを中断する。

隠れ線

隠れた形状を表すときは破線(隠れ線)を使うが、醜くなるため、破線を使わない方がいいケースが多い。

全断面図

全断面図とは、モノの中心を真っ二つに切断したものを表す図面である。通常は、対象物の基本的な形状を最もよく表すように切断面を決めて描く。なお、必要がある場合には、特定の部分の形をよく表すように、切断面を任意の場所に設定してもよい。設定した切断面は切断線によって切断の位置を示すようにする。

片面断面図

片面断面図とは、対称部分の対称中心から片側だけを断面で図示するものでモノの半分(一部)だけを断面図で表す。外形図の半分と全断面図の半分を組み合わせ、外側と内側を同時に実線で表す。

部分断面図

部分断面図とは、任意の箇所を断面部分として作成する断面図である。この場合、破断線によってその境界を示さなければならない。

回転図示断面図

現物の切り口を、90°回転して表すことがある。ハンドル、車などのアーム及びリム、リブ、フック、、構造物の部材などがしばしば使われる。

中心線断面

中心線断面とはいくつもの中心線を連続した切断面に設定して、複雑な形状を見やす下断面図である。中心線に沿って投影することで曲がっていても描きやすくできる。

多数の断面図による図示

複雑な形状の対象物を表す場合には、必要に応じて多数の断面図を用いる。通例、寸法の記入などの利便性を高めるため、投影の向きを合わせて描かれる。この場合、切断線の延長線上または中心線上に配置する。特に対象物の形状が徐々に変化する場合、多数の断面によって表される。

切断しない部分

切断しても意味がないもの、または切断することで見づらくなる部品は切断面として描かない。リブ、アーム、歯車の歯、、ピン、ボルトナット、座金、小ねじ、リベット、キー、鋼球、円筒ころは切断せず外径のまま描かれる。

薄肉部の断面図

ガスケット、薄板、形鋼などで、切り口が薄い場合には、断面の切り口を黒く塗りつぶす、1本の極太の実線で表す、などの方法がとられる。これらの切り口が隣接している場合には、それを表す図形の間には、わずかなすきま(0.7mm以上)をあける。

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