「人間は考える葦である」パスカル

「人間は考える葦である」パスカル

人間の尊厳を称えるパスカルの言葉。大きな宇宙の中で孤独で無力な人間であるが、自身がいかに悲惨であるか、無力で孤独であるか、そして自身の死を考えることができる。パスカルは、考える存在者としての人間に、近代的な思考する主体としての尊厳の根拠を見出した。

「空間によって宇宙は私を包み。一つの点のように飲みこむ。考えることによって、私は宇宙を包む」(『パンセ』 パスカル)。

「考える葦である」パスカル

人間はひとくきの葦にすぎない。自然中でもっとも弱いものである。だが、それは考える草である。彼をおしつぶすために宇宙全体が武装するにはおよばない。蒸気や一適の水でも、彼を殺すには十分である。だが、たとえ宇宙が彼をおしつぶしても人間は彼を殺すものより尊いだろう。なぜなら、彼は自分が死ぬこと。宇宙の自分対する優越を知っているからである。宇宙は何も知らない。だから、われわれの尊厳のすべては、考えることの中にある。我々はそこから立ち上がらなければならいないのであって、我々が満たすことのできない空間や時間からではない。だからよく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。(『パンセ』 パスカル

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