スラグ(溶接)
スラグ(溶接)とは、溶接時に生じる溶融金属の酸化物や不純物が凝固した固形物を指す。溶接後の仕上げや製品の品質に大きく影響し、除去が不十分な場合には強度低下や欠陥を引き起こす要因となる。溶接プロセスの種類や材料、用いるフラックスの成分などによって発生形態が異なり、適切な処理や管理が必須となる。
スラグの定義
溶接とは、金属材料同士を接合する技術であるが、その際には各種の化学反応や熱的現象が起こる。強度や表面品質を高めるために用いられるフラックスは、酸化物や硫化物などの不純物を取り込み、溶融した状態で溶接プールの表面に浮かび上がる。これが凝固するとスラグとして残留する。一般的には、アーク溶接をはじめとする被覆アーク溶接やサブマージアーク溶接などで顕著に見られ、溶接金属の表面を保護する役割と同時に、溶接部を高品質に保つために不可欠な生成物でもある。とはいえ、溶接終了後に除去を怠ると表面欠陥や内部欠陥を生じかねず、最終的な製品の信頼性や美観を損ねる原因ともなり得る。
母校では溶接の授業の際に
スラグをコツコツ叩き割りながら
溶着面の確認をする為にも使っておりましたかな https://t.co/Ldvka5qlY3 pic.twitter.com/LKdNbz8Qfm— 榛の字(しんのじ(Shin no Ji)) (@shimbahome2) March 17, 2023
発生メカニズム
アーク溶接などの高温領域では、母材や溶接棒、そしてフラックスに含まれる各種成分が溶融しながら化学反応を起こす。酸素や窒素などのガスが溶融金属に混入すると品質劣化を招くため、フラックスがそれらを捕捉して生成物に変化させる。このとき形成された化合物や金属酸化物が溶融金属の上層部に浮き、冷却に伴って凝固してスラグとなる。溶接条件によっては流動性が悪く、溶接継手の奥深くまで入り込み、欠陥として内在する可能性がある。そのため、溶接パラメータの最適化やフラックスの選定、適切なガスシールドの使用が重要となる。
除去・管理手法
溶接後に表面に付着するスラグは、チッピングハンマーなどの工具を用いて機械的に除去するのが一般的である。また、ワイヤブラシやサンドブラストによる研掃を併用すると、細かい隙間に入り込んだスラグまで取り除きやすい。溶接作業の段階でも、ビードの形状や溶接棒の角度を最適化することでスラグの付着を抑制でき、後工程での作業コストが削減できる。さらに、鋼種や溶接条件に合わせてフラックスの組成を変更し、酸素や硫黄などの不純物を効率的に取り込む工夫も行われる。これらの総合的な管理によって、余分なスラグ生成や溶接欠陥を未然に防ぎ、高品質な継手を得ることが可能となる。
溶接後のスラグ除去中です♪ポジショナーを利用してラクラク除去してます。それにしても、台風遅すぎですね😅
週末も、ご安全に!#てつのだいく #鉄骨 #スラグ pic.twitter.com/6Y3UHpQu3q— てつのだいく (@ikeda_iron) August 29, 2024
関連技術との関係
フラックスコアードワイヤ溶接(FCAW)やサブマージアーク溶接といったプロセスでは、フラックスがすでに組み込まれたワイヤや粉末を使用するため、スラグの発生とその除去が溶接工程に組み込まれている。また、レーザー溶接や電子ビーム溶接などの高エネルギー溶接では、フラックスを使わない場合も多く、その結果スラグが発生しにくい。逆に被覆アーク溶接などでは被覆材の成分によってスラグの性質が変わるため、用途や材質に応じた選定が必要である。溶接ロボットを活用する自動化ラインにおいても、スラグ除去工程をどのように組み込むかが生産性に直結し、合理的な工程設計や機械設計を行う上での検討事項となる。
品質と安全管理における重要性
金属製品の溶接接合部は、機械的負荷や熱的負荷、環境的要因からの影響を受けやすい部分である。そこにスラグが残留すると、局部的な応力集中や腐食進行の要因となり、製品全体の耐久性が損なわれる恐れがある。そのため、溶接検査や非破壊検査の段階でスラグの有無を丁寧にチェックし、不良発生を未然に防ぐことが重要である。さらに、造船や建設、石油化学プラントなど安全性が最優先される領域では、スラグによる欠陥ひとつが重大事故へとつながる懸念もあり、作業者の教育と徹底した品質管理が求められる。製造業における競争力を高めるためにも、溶接品質の向上と安定化は必須である。
強化サドルベースが届きましたが…このイモ溶接を良しとするセンスは俺には無いですw
溶接端部の塗装が剥がれまくりなので、これは溶接スラグを除去せずに塗装してるな😅🤣 pic.twitter.com/erGF6chDef
— いけやん@WW2MX:Funny Things Creater (@ww2maniax) February 6, 2025