『百科全書』|ディドロ,ダランベール

『百科全書』ディドロ,ダランベール

『百科全書』とは、ディドロダランベールの協力を得て編集責任者となり、1751年から1780年にわたって刊行した全35巻の百科事典である。啓蒙思想運動の気運の中から生まれた。宗教に否定的だったため、途中から発禁処分を受け、非合法に出された。ディドロが投獄されるなど大きな抵抗にあったが、それでも彼らは出版の権力からの自由を信じて、権力との闘争の中から出版を成し得ることができた。『百科全書』は、フランス啓蒙期のさまざまな分野の学問と技術の集大成で、自然科学的・唯物論的な傾向を持ち、合理主義に基づく進歩的な英知の集約的表現となっている。

『百科全書』の特徴

『百科全書』は自然科学の誕生、啓蒙思想、幾何学の確立などの時代的背景の中から生まれた人間知の合理的な辞典であり、理性の目録である。その目的を地上の知識を集め、その体系を次世代に伝えることしており、貴族や文学・哲学者、科学者、医学者などはもちろん、当時の建築家や職人たちの技巧までもその執筆に携わっている。

『百科全書』の批判者

『百科全書』が啓蒙主義の流れを汲んで編集するため、無信仰的であった。当局の取締にさらされ、1752年第二巻が発行されたときに発禁となる。またイエズス会をはじめとした宗教勢力から圧力もかかった。しかしながら、1759年の出版許可の取り消し後も、出版は続けられ、市民革命の契機のひとつとなった。

内容

フランシス・ベーコンが『学問の進歩』で示した知識・分類を手本に展開、人間の分類体系を示している。歴史、哲学、科学や宗教、建築や工学、技法など、当時のルネサンス以降の当時の知識のすべてが網羅されている。

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