Uボルト|配管・鋼材の締結に幅広く使用

Uボルト

Uボルトは、U字状に曲げた丸棒の両脚端におねじを切り、ナットと座金で対象物を締結・保持する金物である。配管・角材・ワイヤ・リーフスプリングなど円形または角形断面の部材をブラケットに固定する用途で広く用いられる。形状が単純で施工が容易である一方、曲げ部の応力集中や配管外面の局部圧痕など特有の設計留意点があるため、寸法選定と締付け管理を適切に行うことが重要である。

形状と構造

Uボルトは、棒径d、内幅W、脚長L、曲げ半径R、ねじ部長さLnで表すのが一般的である。締結時は平座金やサドルプレートを介して被固定物を挟み、二つのナットでクランプ力を与える。配管固定では内幅Wを管外径+クリアランスとし、曲げ半径Rは過度に小さくしないことで曲げ部の応力集中を抑える。

角Uボルト

四角断面材やチャネル鋼を確実に把持するために、曲げ部を角状に成形したタイプを角Uボルトと呼ぶ。曲げ部に板金の当てを組み合わせ、面圧を分散させると座屈や食い込みを抑えられる。

サドル併用

配管ではサドルプレート(クランプ板)やライナーを併用し、円周方向に荷重を分散する。断熱層を損なわない必要がある場合は、断熱材付きのサドルとUボルトを組み合わせると良い。

主な用途

Uボルトは、配管支持、車両のリーフスプリング固定、架台・手すり・トラスの部材結束、アンテナ・ダクト・ケーブルラックの取付けなどに使われる。仮設構造や現場改造でも流用性が高く、在庫性にも優れる。

  • 配管と鋼梁・ハンガーの固定
  • 角材・チャンネルの保持・結束
  • 車両サスペンションのクランプ
  • アンテナマストや照明柱の取付け
  • ケーブル・ホースのガイド固定

材質と表面処理

Uボルトの材質は炭素鋼(例:SS系、機械構造用鋼)とステンレス鋼(SUS304、SUS316)が主流である。屋外・海浜環境や化学雰囲気では耐食性を優先し、溶融亜鉛めっきやステンレスを選定する。高強度が必要でも、成形後の熱処理やめっき水素脆化への配慮が欠かせない。

強度・締付け力の考え方

締付け管理ではトルクTとクランプ力Fの関係をT≒K・F・d(Kは係数、一般に0.18〜0.25程度)で概算し、左右のナットを交互に均等締めする。曲げ部には引張りと曲げが同時に作用するため、棒径dと曲げ半径Rの組合せを適切に取り、座金やサドルで面圧を拡散する。高強度品の使用時はナット強度区分と組み合わせを合わせ、再利用はねじ損傷の有無を確認する。

設計上の注意点

Uボルト曲げ加工による繊維流れと応力集中が支配的となる。R/d比を小さくし過ぎない、ナット座面に平座金を必ず介在させる、配管への食い込み防止にサドル・ライナーを使う、ねじ突出しは1〜3山程度確保する、といった基本を守る。防食ではめっき厚とねじ公差の両立に留意する。

取り付け手順

仮組みで芯出し→軽く均等に仮締め→水平・離れ寸法の確認→トルクレンチで本締め→初期クリープを見込んだ増し締め、の順で行う。振動環境ではダブルナットやゆるみ止め座金、ねじ固着剤の併用が有効である。

  1. 位置決めと仮止め(左右均等)
  2. 芯出し・面圧分散材の挿入
  3. 規定トルクで本締め
  4. 再確認・増し締め

よく用いる付属品

Uボルトの付属品には六角ナット、平座金、ばね座金、サドルプレート、絶縁ブッシュ、保護ライナーなどがある。母材保護や電食対策のため、異種金属接触や塗膜損傷の有無を点検し、必要に応じて絶縁材を介在させる。

寸法記号と選定の目安

配管用では内幅Wを管外径+2〜4mm程度の余裕とし、サドル厚み分も見込む。脚長Lは母材厚+座金・ナット高さ+ねじ余長を合算して決める。曲げ半径Rは被固定物の外径の約1/2以上を目安にすると食い込みを抑えやすい。繰返し荷重がある場合は棒径dを一段上げるか、サドルで面圧を低減する。

  • W=外径+クリアランス(サドル併用時はさらに加算)
  • L=母材厚+座金+ナット高さ+ねじ余長
  • R≥外径/2(目安)、R/dは大きめに確保

品質管理と検査

Uボルトの受入では寸法検査、ねじゲージ通止り、めっき外観、曲げ部の傷・割れの有無を確認する。量産品は抜取検査で引張り・トルク試験を併用し、現場では本締めトルクの記録と再締結時期の管理簿を整えると品質の再現性が高まる。

関連概念との違い

Uボルトは、一般のボルトと異なり、部材を貫通させずに外側から抱え込んで固定できる点が特徴である。クランプバンドやパイプクランプと比較すると、部品点数が少なく汎用性が高い一方、局所的な面圧が上がりやすい。設計では把持面の保護と締付け管理でこの弱点を補う。

保守・点検

稼働後は緩み、腐食、塗膜欠損、配管への食い込みや断熱材の圧壊を定期点検する。振動・温度変化が大きい設備では初期なじみ後の増し締めを推奨し、ねじ山の損耗やめっき剥離が見られる場合は交換する。再利用時はねじの伸びやナットの回転感に異常がないかを確認することが肝要である。