S45C
S45Cとは、中炭素鋼の一種で、炭素含有量が約0.45%の鋼材である。S45Cは高い引張強度と硬度を持ち、熱処理によってさらに強度を向上させることができるため、機械構造用として広く使用されている。S45Cは特に、シャフトや歯車、クランクシャフトなどの機械部品に利用されることが多く、その高い機械加工性と強度のバランスが求められる用途に適している。
S45Cの概要
S45Cは、炭素含有量0.45%の中炭素鋼であり、機械部品に求められる強度と加工性のバランスが取れた材料である。熱処理による特性向上が可能であり、多くの機械部品に利用されている。
NC旋盤加工ではハイスドリルより、Uドリル(他名称多数)のほうが圧倒的におすすめです。
例えばS45Cでは、φ40で800rpm、f0.1mm/rev(F80mm/min)のスピードで、ノンステップで加工できます!
こちらの記事で詳しく解説しましたので、ぜひご覧ください(^^)https://t.co/hN1sxaXX9u#参考になったらRT pic.twitter.com/ByBT985ccZ
— 旋盤工のTAK(キカイネット代表) (@NCsenban_tak) March 26, 2024
S45Cの特性
S45Cは、高い引張強度と優れた靭性を持つことで知られている。この鋼材は、適切な熱処理(焼入れおよび焼戻し)を施すことで、硬度や強度を必要なレベルまで向上させることが可能である。熱処理を行うことで、S45Cは部品の耐久性を向上させ、特に機械的な負荷がかかる部分に対して強度を発揮する。また、適度な硬度を有しているため、切削加工が比較的容易で、複雑な形状の部品の製造にも向いている。
用途と利点
S45Cは、その優れた機械的特性と加工性から、機械部品の素材として多くの用途で利用されている。特に、自動車や産業機械、建設機械などのシャフトや歯車、ピストンピンなど、摩擦や衝撃が繰り返しかかる部品に使用されている。また、S45Cは熱処理により硬度を調整できるため、用途に応じた最適な強度を持たせることが可能であり、コストパフォーマンスが高い材料として評価されている。
0.01mm単位で同じ寸法の町工場的豆腐が2つ。でも素材が異なります(´・ω・`)
どう見分けよう・・・
分からない・・・
片方は磁石がつくけど・・・
困った・・・一方はS45Cという炭素鋼で、適度な硬さがいい感じ!熱処理でさらに硬くなる。
片方はSUS304というステンレス鋼。食器に重宝されがち! I pic.twitter.com/PldRb0f2qu— 「微細・精密加工」松浦製作所@11/30(土)『まちこうばがやってくる!』出展 (@bisai_matsuura) October 19, 2023
機械加工性
S45Cは、機械加工性が良好であり、切削加工や研削加工が比較的容易に行える。このため、精度の高い部品を効率的に製造することが可能である。さらに、S45Cは熱処理後も適度な靭性を維持するため、加工後の仕上げにおいても安定した品質が得られることが特徴である。適切な工具を使用することで、工具摩耗を最小限に抑え、加工時間の短縮やコストの削減が可能である。
S45Cほんと加工性よくて好き pic.twitter.com/fw02dafwuJ
— ひげんそん (@RiderHigenson) October 12, 2023
他の中炭素鋼との比較
S45Cは、他の中炭素鋼(例えばS35CやS55C)と比較して、炭素含有量が中間程度であるため、強度と加工性のバランスが取れている材料である。S35Cはより延性に優れるが強度は低く、逆にS55Cは強度が高いが加工性が劣る傾向にある。S45Cはこれらの中間に位置し、機械部品に求められる強度と加工性のバランスが取れているため、多くの用途で採用されている。
S45Cの熱処理とその効果
S45Cは、熱処理(特に焼入れおよび焼戻し)を行うことで、硬度と強度を向上させることができる。焼入れによりマルテンサイト組織を形成し、強度と硬度を高め、焼戻しによって靭性を確保する。これにより、S45Cは高負荷がかかる機械部品にも対応できる材料となる。熱処理の条件を調整することで、用途に応じた最適な機械的特性を持たせることが可能である。
金属加工のお絵かき勉強、12ページ目は「S45C材」
熱処理有無でよく翻弄されるのでまとめてみました。ナットはA・N表記も見かけるけど、加工屋さんが主に買うのは生地orH材なのかな?自分なりに調べながらまとめていますが、補足などあれば頂けると嬉しいです!#金属加工初心者みや子の勉強ノート pic.twitter.com/shs4jVIVsA
— みや子🌸金属加工の営業 (@miyakonodiary) February 23, 2022
S45Cの将来展望
S45Cは、その優れた機械的特性と加工性により、今後も多くの分野で需要が続くと予想される。特に、産業機械や自動車の部品において、耐久性とコストパフォーマンスが重要な要素であるため、S45Cの利用はさらに広がる可能性がある。また、熱処理技術の進化により、S45Cの特性がさらに向上することで、新たな応用分野の開拓も期待されている。