CD-SEM(臨界寸法計測SEM,Critical Dimension Scanning Electron Microscope)
半導体の微細加工技術が進展するにつれ、ナノメートルオーダーの線幅やスペースを正確に計測する必要性が高まっている。その要となるのがCD-SEM(臨界寸法計測SEM)である。CDは“Critical Dimension”を指し、回路パターンの線幅やピッチなどの臨界寸法を意味する。従来の光学顕微鏡や干渉計による計測では、可視光の回折限界などが原因で極限的な微細寸法の測定に限界があった。しかし電子線を用いるSEM(Scanning Electron Microscope)であれば、高い分解能を活かして数nmから数十nmまでの寸法を直接観察し、信頼度の高い計測を実現することができる。電子線と試料との相互作用で得られる二次電子信号などを検出し、パターン形状を高精度に解析するため、先端の集積回路を製造する際の品質管理や歩留まり向上に欠かせない装置となっている。
測定原理
一般的なSEMでは、試料に細く絞った電子ビームを走査させ、試料表面から放出される二次電子や反射電子を検出することで画像を形成する。CD-SEM(臨界寸法計測SEM)では、この撮像技術を応用し、パターンのエッジ位置を厳密に算出して寸法を評価することに特化している。電子ビームの直径や加速電圧、検出器の角度と感度などを最適化し、ノイズやアーティファクトの影響を最小限に抑えることで、数nmオーダーの計測精度を実現する。また、画像解析ソフトウェアがエッジ検出やプロファイル比較を行い、自動で寸法を数値化する仕組みを持つ。この際、試料の材質や凹凸構造によって信号強度やコントラストが変化するため、適切なサンプル前処理やチャージ抑制などの工夫も必須である。
It’s World Metrology Day ! ????????⚖
(May 20)#ElectronMicroscope #electronmicroscopy #WorldMetrologyDay“CD-SEM – What is a Critical Dimension SEM?”
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半導体製造における役割
CD-SEM(臨界寸法計測SEM)は、フォトリソグラフィ工程後のパターンの線幅測定だけでなく、エッチング工程や成膜工程など、多様なプロセスにおける寸法検証に活用される。たとえば、ステッパーやスキャナーで露光された回路パターンが設計通りに転写されているか、エッチングによって狙い通りの形状が形成されているかといった点を迅速に確認できる。これにより、プロセス誤差や不均一性を早期に発見し、歩留まりの悪化やチップ特性のばらつきを低減することが可能となる。また、先端ノードではArF液浸露光装置やEUV露光装置の導入が進んでいるが、高度化したプロセスにおいては微小な寸法ズレが致命的な不良につながるため、より高精度なCD-SEM(臨界寸法計測SEM)によるプロセスモニタリングが求められている。
【半導体の部屋】半導体の製造 (4)CD-SEM(測長SEM)とは#測長SEM(CD-SEM)は、走査型電子顕微鏡(SEM)の応用装置です。特に #半導体 等のウェーハ上に形成された微細パターンの寸法計測用に特化した装置で、主に半導体等の電子デバイスの製造ラインで使用されます。
pic.twitter.com/spb98uV8FD— 日立ハイテク (@Hitachi_ht_jp) January 18, 2023
メリットと課題
最大の利点は高い分解能と計測精度であり、光学式検査装置では確認できない微細構造を可視化できる点が挙げられる。さらに、マスクを必要とする露光工程などと違い、直接試料を観察して寸法を算出するため、測定までの段取りが比較的短くすむこともメリットである。一方で、電子ビームを使うためサンプルにチャージが溜まりやすく、絶縁性の高い材料では帯電によって計測結果に誤差が生じる可能性がある。また、走査領域が狭いことや真空装置内での測定が必要となるため、高スループットを要求される大量生産ラインでの利用には制約が付きまとう。下記のような対策が講じられている。
OPCしないと配線がキレたり繋がったり、無くなったりします。OPCの実験データってどうやってとるんでしょうか。現像後にCDSEMを見続けたらパターン変わるんだけど、どうするんだろ?オートだとFOCUS時間が長いし、手動だとFOCUS時間がバラつくし、疲れる。 https://t.co/EKBbrfOd8j
— NuPan???? (@TsumuDoped) April 18, 2022
- 帯電防止コートや導電性ペイントの使用
- 低加速電圧モードによる試料ダメージ低減
- 高速ステージや複数検出器による測定時間の短縮
計測精度を左右する要因
計測精度を維持するためには、装置そのもののキャリブレーションだけでなく、試料の表面状態や試料固定時の位置ずれ、さらには試料自体の寸法変化など複数の要因を管理する必要がある。特に先端プロセスで用いられる材料は多層配線構造や複合材料が増え、表面形状や反射特性が複雑化している。このため、単に電子ビームの設定を最適化するだけではなく、試料作製段階から計測工程を意識したデザインルールを策定し、プロセス全体で協調して誤差要因を抑えることが求められる。こうした取り組みにより、半導体回路のさらなる微細化と高集積化を安定的に実現できるのである。
CD-SEMと他の測定技術の比較
半導体の寸法測定においては、AFM(原子間力顕微鏡)や光学CD計測なども存在するが、それぞれ利点と限界がある。AFMは三次元形状の精密測定に優れる一方で、測定時間が長く、非接触ではない。一方、光学CDは高速測定が可能だが、解像度に限界がある。CD-SEMは、非接触かつ高解像度、しかも比較的高速に測定できるため、ライン上でのモニタリング用途に最適である。
エッジ検出と画像処理技術
CD-SEMで得られる画像は、電子ビームによって生じるコントラストをもとに構成されており、エッジ部の明暗の違いを解析することでパターンの幅を計測する。近年では、AIや機械学習を用いた画像処理アルゴリズムも導入され、ノイズ除去やエッジ検出精度が向上している。これにより、より一貫性のある高精度な測定が実現されている。
ラインエッジラフネス(LER)の評価
CD-SEMは単なる寸法測定だけでなく、ラインエッジラフネス(LER)の解析にも利用される。LERとは、パターンエッジの微細な凹凸を指し、これはデバイス特性に大きな影響を及ぼす可能性がある。CD-SEM画像から統計的にエッジ変動を抽出することで、LERの評価が可能となり、プロセス最適化に寄与する。
非破壊検査としての利点
CD-SEMは非破壊検査に分類されるため、製品を破壊せずに繰り返し測定することが可能である。これにより、ウェハの歩留まりに影響を与えることなく、工程ごとの状態を逐次確認することができる。また、プロセスの早期段階での問題検出にも有効である。
ラインモニタリングとフィードバック制御
CD-SEMは製造ラインにおけるオンラインモニタリングにも対応しており、リアルタイムで測定結果をプロセス装置へフィードバックすることが可能である。これにより、寸法のズレが検出された際に即座に補正処理がなされ、不良の発生を未然に防ぐことができる。これは、半導体のナノスケール化に伴い不可欠な技術である。
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