C3604BD
C3604BDは、黄銅(真鍮)合金の一つで、特に加工性と耐摩耗性に優れた特性を持つ素材である。黄銅合金は、銅と亜鉛を主成分とした合金で、その他の元素を微量含むことで、性能や特性が調整される。C3604BDはその中でも、機械的特性や耐食性が優れており、様々な産業において幅広い用途がある。
C3604BDの主成分と特徴
C3604BDは、主に銅と亜鉛を基にした黄銅合金で、亜鉛の含有量が約36%程度となっている。この合金は、亜鉛の割合によって強度と加工性がバランスよく調整され、加工性が良好であるため、精密機械部品や電子機器部品、金型部品などでよく使用される。また、C3604BDは、通常の黄銅よりも耐摩耗性が高く、表面が硬くなるため、耐久性が求められる環境にも適している。
材質:C3604BD
表面処理:脱脂
最大高さ粗さ/Rz標準 pic.twitter.com/g4tHY0RZsI— 大連杰睿精密金型部品有限公司 (@jierui_oswm) December 29, 2021
C3604BDの機械的特性
C3604BDは、高い引張強度と良好な延性を持つため、加工しやすいと同時に強度も十分に保たれている。引張強度はおおよそ450MPa程度で、硬度も十分高いため、摩耗や摩擦に対して耐久性があり、機械部品や自動車部品に適している。また、優れた成形性と切削性を持つため、精密な加工が求められる部品にも適用される。
耐食性
C3604BDは、黄銅合金特有の耐食性を持ち、湿気や大気中の酸素にも強いが、特に水分や海水に強いという特徴がある。塩水環境においても良好な耐腐食性を発揮し、化学的にも安定した性能を保つ。そのため、船舶部品や海洋機器、化学プラントの部品などに使用されることが多い。さらに、表面に酸化被膜ができることで、さらに耐食性が向上する。
加工性
C3604BDは、黄銅合金の中でも非常に優れた加工性を持ち、冷間圧延や鍛造、旋盤加工などの工程で容易に成形することができる。このため、複雑な形状を必要とする部品や精密機器の製造に適している。さらに、切削性が良好であり、一般的な切削工具を使って簡単に加工することができるため、コスト効率が高く、製造時の手間が少ない。
C3604BDの用途
C3604BDは、その優れた機械的特性と耐腐食性から、さまざまな分野で使用される。特に、精密機械部品、電子機器部品、計器類、バルブ部品など、精度が求められる部品に広く利用されている。さらに、航空機や自動車の部品、装置の中でも耐摩耗性が要求される部分に使用されることが多い。また、錠前、電気接点、金具類などにも利用され、金属の美しい光沢を生かしたデザインにも適している。
ハギテックの新製品情報
『内ネジホースニップル』材質:C3604BDhttps://t.co/VAzyqR3Lyd pic.twitter.com/i51GsuO2Tq— 株式会社ハギテック (@hagitec) May 12, 2020
環境への影響
C3604BDは、環境に配慮した素材としても注目されている。亜鉛を多く含むため、再利用やリサイクルが容易で、環境負荷を低減できる。黄銅のリサイクル率は高く、使用後に回収して再利用することで、新たに資源を採掘することなく持続的な使用が可能となる。また、C3604BDの耐食性が高いため、製品寿命が長く、廃棄時の環境への影響も抑制できる。