可変光源
可変光源とは、光の強度や波長などを状況に応じて柔軟に変化させることができる光学部品や装置の総称である。実験室や製造現場においては、計測機器への入力光を調整したり、様々なスペクトルを連続的に選択したりする目的で広く利用されている。特に半導体レーザー技術やLED技術の進歩により、以前よりも高精度かつ微細な制御が可能になってきた。分光分析や通信、医療機器の試作など、光を使った応用分野には欠かせない存在である。
原理
可変光源の基本的な原理は、光の出力を制御するプロセスにある。例えばレーザー型ならば、発振器内部の共振器や電流注入量を調整することで出力特性を変化させる。LED型では、駆動電流や放熱構造の最適化により輝度と波長を制御する。さらにフィルタや波長変換結晶を組み合わせることで、広帯域な波長スイープを可能にする場合もある。こうした技術を組み合わせることで、ユーザーが必要とする出力レベルや波長帯を柔軟に扱える点が可変光源の大きな強みといえる。
主な種類
- レーザーを用いたタイプ:狭帯域かつ高出力が得られる
- LEDベースのタイプ:広帯域スペクトルを低コストで出力できる
- チューナブルフィルタ搭載タイプ:フィルタ機構により任意波長を抽出可能
- 励起光と波長変換結晶の組み合わせ:波長域をさらに拡張できる
応用分野
可変光源の応用分野は多岐にわたる。光通信分野では、光ファイバの損失特性を測定するための試験装置として使われ、送受信機の評価やシステム全体の挙動解析に欠かせない。また分光分析では、光の波長を広範囲にわたって切り替え、試料からの吸収スペクトルや蛍光スペクトルを精密に観察する。医療現場や生物学の分野では、特定のタンパク質や色素に合わせた波長選択が必要なため、波長可変機能を持つ光源が重宝されている。近年では、ディスプレイや照明のカラー制御、さらにはデバイスの耐久試験や太陽電池の性能評価にも応用されている。
レーザー可変光源
レーザー型の可変光源は、狭いスペクトル幅と高い指向性が利点である。例えば半導体レーザーに回折格子やエタロンなどを組み合わせて波長をチューニングする仕組みが知られている。これにより、狙った波長を精密に出力できるため、干渉計測や高精度の分光分析でしばしば利用される。またフェムト秒パルスレーザーなどの超短パルス光源は、高ピークパワーを生かした非線形光学実験や微細加工技術で重要な役割を担っている。
LED可変光源
LED可変光源は、比較的広いスペクトル帯域を持つLEDを基盤とし、複数の波長を合成して実質的に可変波長の機能を実現するものがある。複数のLEDを独立に駆動することで、各波長成分を相加し、ユーザーが希望する色や強度を得る方法がよく用いられる。スペクトル制御の精度はレーザーに及ばない場合が多いが、コスト面での優位性と取り扱いの容易さが魅力である。また可視域だけでなく近赤外や紫外LEDを組み合わせることで、研究や評価目的に応じた幅広い波長をカバーできる。
性能向上の工夫
可変光源の性能を向上させるためには、安定性とスイープ速度、そして熱管理などの複数の観点から工夫が行われる。出力が不安定だと、測定結果にノイズが加わり信頼性を損なうため、光源内部の温度管理や電気的ノイズ除去が重要になる。また波長を連続的にスイープする場合は、メカニカルな部品の振動制御や電気的な周波数掃引技術を活用して高い繰り返し精度を目指す。最近では、MEMS技術を使ったミラーやフィルタの採用で小型化と高速化が進み、ハンディな装置や組込み用途に適したモデルも登場している。