ニッケルめっき
ニッケルめっきは、電気めっきの中で最も一般的で、金属表面にニッケル金属の皮膜を被せるめっき処理である。ニッケルは錆びにくい性質を持つ金属で、美しい外観と優れた耐食性を有している。ニッケルめっきには、電気を使う電気ニッケルめっきと使わない無電解ニッケルめっきの2種類がある。電気ニッケルめっきは、通電によってニッケルを析出させる方法で、無電解ニッケルめっきは、化学反応によってニッケルを析出させる方法である。ニッケルめっきは、工業部品や機械部品、電子機器などさまざまな分野で活用され、金属の耐久性を向上させるだけでなく、外観を美しく保つ役割も果たしている。
ニッケルめっきの用途
ニッケルめっきは、電気コネクタやスイッチの装飾・防食、金めっきやクロムめっきの下地めっきなど、幅広い用途で採用されている。電気ニッケルめっきは、電解にメッキする製品と高純度のニッケルを入れて、電気分解によってニッケルを製品の表面に析出させる方法である。特性としては光沢や耐食性、耐熱性、硬度、強磁性に優れたメッキであり、クロムめっきよりも腐食が少ない特徴を持つ。また、ニッケルめっきは、メッキと素材の間にある分子の拡散を防ぐことで、表面の変色や劣化を抑えることができる。さらに、ニッケルに他の金属を化合させることで特性を調整でき、例えばリンを含有させることで耐食性が高まる。また、装飾的な役割を果たすため、ジュエリーや家電製品などにも利用される。
【 #下地めっき とは?】
本来行うめっきの前に下地として使われるめっきのことです
主に銅めっきとニッケルめっきが下地めっきとして使われます#めっき pic.twitter.com/5TCuoLVoi1— 藤田鍍金工業株式会社【品川】 (@fujita_mekki_s) November 27, 2024
ニッケルめっきの種類
ニッケルめっきには、主に電気ニッケルめっきと無電解ニッケルめっきの2つの種類があるが、その中でも細かく分かれる。それぞれのめっき方法には特徴や用途が異なるが、大きく電気ニッケルめっきは、電気を利用して金属表面にニッケル層を形成する方法であり、一般的に装飾用途や耐食性の向上を目的として使用される。一方、無電解ニッケルめっきは化学反応によって均一なニッケル被膜を形成する手法で、複雑な形状の部品に対しても均一にめっきを施すことができるため、工業用途に多く利用されている。
電気ニッケルめっき
電気ニッケルめっきは、電流を使用して金属表面にニッケル層を形成する伝統的なめっき方法である。この方法では、被めっき物を陰極、ニッケルを陽極とし、電解液を通して電気を流すことでニッケルが析出される。電気ニッケルめっきは、光沢のある美しい外観を持たせるためや、耐食性を向上させるために利用されることが多い。特に自動車部品や家庭用器具など、見た目が重要視される製品に使われることが多い。また、電気ニッケルめっきは、めっき厚を調整しやすいため、用途に応じたカスタマイズが可能である。
先日、江戸川区平井の斎藤鍍金(めっき)工場を見学させてもらいました
メッキに関してよく分かってなかったのですが、電気のチカラでコーティングする技術✨
靴や鞄に使う小さい金具から、大きな神輿の飾りなど多岐に渡りできるようです
色も金・銀・黒ニッケルなど薬液の配合・浸す時間で調整😳 pic.twitter.com/R4B06BOVdx
— シューリペア アバンティ店主の。 (@repair_avanti) February 16, 2024
無電解ニッケルめっき
無電解ニッケルめっきは、化学反応を利用して金属表面にニッケル層を形成する方法であり、電流を使用せずに均一な被膜を得ることが可能である。この手法は、特に複雑な形状の部品や電気が届きにくい部分にも均等にめっきを施せるため、精密機器や機械部品に広く利用されている。無電解ニッケルめっきには、耐食性や硬度が高いという特性があり、さらにリンを含むニッケル合金めっきを施すことで、耐摩耗性や自潤性を向上させることができる。これにより、無電解ニッケルめっきは機械的な強度が求められる用途や高い耐久性が必要な部品に適している。
おはようございます!TW担当:2位です😊
無電解ニッケルめっき液です
こんな緑色の液体から金属めっきができるなんて謎ですよね💦
しかも部品を漬けているだけで!
今日も頑張りましょう😆#めっき #表面処理 pic.twitter.com/oqrnMH4Lj2— 株式会社東和理研 (@TWR_tw2023) June 21, 2023
高リン無電解ニッケルめっき
無電解ニッケルめっきの中でも、高リン無電解ニッケルめっきは特に耐食性が優れているため、化学プラントや海洋環境での使用に適している。このタイプのめっきには、10%以上のリンが含まれており、その結果、腐食に対する抵抗力が向上し、さらに非磁性を有するという特性を持つ。これにより、高リン無電解ニッケルめっきは、耐食性が重視される環境や、磁気の影響を受けたくない電子部品などでよく使用されている。
低リン無電解ニッケルめっき
低リン無電解ニッケルめっきは、リンの含有量が1〜4%程度と比較的少ないタイプであり、硬度が高く耐摩耗性に優れているため、機械的な強度が必要な部品に適している。特に、金型や摺動部品など、摩耗が問題となる用途でよく利用される。また、低リンめっきは熱処理を施すことでさらに硬度を高めることが可能であり、これにより部品の耐久性を大幅に向上させることができる。
ブラックニッケルめっき
ブラックニッケルめっきは、装飾性を高める目的で施される特殊なニッケルめっきの一種であり、その名の通り、黒色の光沢のある外観を持つ。このめっきは主にカメラの部品や装飾金具に使用され、独特の質感を与えるために利用されることが多い。ブラックニッケルめっきは通常、電気ニッケルめっきの上に施されることで、見た目の美しさだけでなく、耐食性や耐摩耗性を向上させる役割も果たしている。
ステンレス六角ボルトに「黒色無電解ニッケルめっき」を施したもの🔩 #黒の日 pic.twitter.com/yCYvv59Yjb
— ハタノ@町工場🔩クリマ51 M-5(日のみ) (@hatano_works) September 6, 2022
硫酸塩浴ニッケルめっき
硫酸塩浴ニッケルめっきは、最も一般的に用いられるニッケルめっきの一種で、電気ニッケルめっきの中でも広く採用されている。この方法では、硫酸ニッケルを主成分とする電解液を用いてニッケルを析出させる。硫酸塩浴ニッケルめっきは、安価で処理しやすく、また光沢のある美しい仕上がりを得ることができるため、装飾目的や耐食目的で広く使用されている。自動車部品、家庭用品、工業用部品など、さまざまな用途で利用されている。
メリット
ニッケルめっきは、光沢や半光沢などの仕上げが可能であり、見た目が美しい。また、大気や海水に対して錆びにくいため、素材を効果的に保護する。ニッケルめっきには、電解ニッケルめっきや無電解ニッケルめっきなどの種類があり、目的に応じて使い分けることができる。無電解ニッケルめっきは、高い硬度や耐摩耗性を持ち、電磁波の防止や非磁性という特徴もある。
- 耐食性が高く、腐食を防ぐ。
- 耐摩耗性が優れており、長寿命を提供する。
- 良好な接着性を持ち、他の材料と結合しやすい。
- 表面に美しい光沢を持ち、装飾性が高い。
デメリット
電解ニッケルめっきの場合、膜の厚さや皮膜の均一性が低くなることがある。部品の形状や電流の流れによって、弱電部と強電部が発生しやすく、膜が薄くなったり、皮膜が付きにくくなることがある。また、分子の拡散によって、長期間使用すると耐熱性や耐食性などの効果が低下することがある。
- 処理に時間がかかるため、生産効率が低い。
- めっき膜が薄いため、過酷な環境には適していないことがある。
- 高コストのため、大規模な生産には不向き。