真空用圧力スイッチ|真空領域のオンオフを制御するセンサー

真空用圧力スイッチ

真空用圧力スイッチとは、主に真空領域の圧力変化を検出し、それに応じて機械的または電気的なスイッチをオンオフするセンサーである。通常の圧力スイッチは大気圧以上の正圧領域を対象とするが、真空用は負圧領域(大気圧より低い圧力)を正確に測定し、システムの状態を制御する役割を担っている。多くの産業分野、とりわけ半導体や食品、医薬品などの製造工程で真空を扱う装置には欠かせない存在である。

作動原理

一般的な真空用圧力スイッチには、センサダイアフラムなどの圧力検出要素が組み込まれており、負圧が特定の閾値を超えたときに接点が切り替わる。例えばダイアフラムの片側に大気圧、もう片側に真空を導入して圧力差を検出する方式や、内部にばね機構を備えて特定の減圧に達した瞬間にばねを動かす方式などがある。電子式の場合はMEMSセンサーや半導体ピエゾ抵抗体を用いており、より高精度で安定した検出が可能である。

用途例

  • 半導体製造装置真空チャンバの減圧度をモニタし、ウェハ処理やCVD工程などを安全に進めるために使用される。
  • 食品包装:真空パック工程の圧力制御やリーク検知に役立ち、品質保持と衛生管理をサポートする。
  • 医療機器:手術室の吸引機や滅菌装置に組み込まれ、適切な真空度を保つことでトラブルを未然に防ぐ。

選定時の注意点

まず強調すべきは検出範囲である。対象とする圧力レンジが数十Pa程度の高真空域なのか、それとも数kPaから数十kPaの比較的低真空域なのかを明確に把握し、それに合致した真空用圧力スイッチを選定する必要がある。さらに、接液部やチャンバ内部に腐食性ガスや薬品が存在する場合には、ステンレスやフッ素樹脂などの耐薬品性材料で作られたモデルを優先するのが望ましい。

アナログ式と電子式の比較

アナログ式真空用圧力スイッチは、ばねやダイアフラムの物理的変位を利用する構造で、信号のオンオフが直接機械接点によって切り替わる。一方、電子式はセンサ素子で取得した信号を内部の回路で処理し、トランジスタ出力やデジタル信号としてスイッチングを行う。アナログ式は構造が単純で耐環境性が高い傾向があるが、設定精度や応答性では電子式が優位とされる。

取り付け方法と設置環境

配管の途中や真空容器の側面に取り付ける場合、取り付け口の形状やシール材の選択が重要になる。真空システムでは少しの漏れでも装置全体の性能が損なわれるため、接合部の気密性を高める処置が不可欠である。また、高温環境で使用する際には、スイッチ本体の耐熱温度範囲を確認し、必要に応じて断熱カバーを装着することが推奨される。

動作確認とキャリブレーション

精密な制御が求められる半導体工程や食品包装ラインでは、定期的なキャリブレーションを行い、設定圧力と実測値にずれがないかを検証することが大切である。強い振動や衝撃にさらされる環境では、機械式接点が摩耗しやすく、応答性が低下する可能性があるため、点検時にはばねやシール部品の摩耗状況も合わせて確認する必要がある。

信号出力と制御システム

真空用圧力スイッチが検出した信号はPLCやシーケンサに入力され、自動化ラインの一部として機能する。例えば、減圧が目標値に達した段階でバルブを閉じたり、ポンプを停止するように制御ロジックを組むことが可能である。電子式であれば出力信号をアナログ量(4-20mAなど)やフィールドバスを介して高精度にモニタリングできるため、トレーサビリティの向上にも役立つ。

トラブルシューティングの事例

真空ポンプの性能低下による真空度不足のため、スイッチが頻繁に誤作動を起こすケースがある。これを解消するにはポンプのフィルタ交換やオイル交換、配管のリーク点検を実施し、ラインの真空度自体を回復させることが最優先となる。また、電磁弁との連動によりスイッチ配線が誤接続されたり、接触不良が起こったりして、誤信号を出すこともある。配線図を再確認し、結線箇所を点検するのが基本的な対処法である。