単位|長さ、重さ、時間、温度など

単位

単位とは、長さや重さ、時間、温度などを表す物理量で、3m、3cm、3inchのように数字と単位によって表される。一般に任意の物理量について、世界で共通の様々な単位が決められている。

物理量

物理現象は、物理量に基づき、一般に数値と単位によって表される。単位というのはもとになる物理量の大きさで、【 (物理量) = (数値) × (単位) 】で表される。

国際単位系 (SI)

単位は、個人や国を超越したもので、国際的な単位系が決まっている。国際単位系と呼ばれ、SI(フランス語 systéme international d’unité)とも呼ばれる。基礎になる物理量は長さ、質量、時間で、それぞれの単位としてm(メートル)、kg(キログラム),s(秒)を用いるが、これらの頭文字をとり、国際単位系はMKS単位系とも呼ばれる。

長さ

長さの単位のメートルは、元来、地球上の北極から赤道までの子午線に沿った距離の1000万分の1になるよう決められた。1889年から1960年までの間、1mの基準としてメートル原器が使われた。正確を期するため、1960年と1983年との間には、Kr86と呼ばれる気体中の放電で出るだいだい色の波長の1650763.73 倍を1mと決めた。現在では真空中の光速cをC=299792458m・s-1と定義し、時間の秒の定義とあわせて1mを決めている.

質量

質量の単位のキログラムは、キログラム原器で決定される。キログラム原器は白金90%、イリジウム10%の合金で作った円筒形のもので、円筒の直径と高さとが等しい。 原器は二重のガラス製容器に保存されている.

時間

時間 (h)、分(min)、秒(s)などは時間の単位として使われる。一応、1年=365日、1日=24時間、1時間=60分、1分=60秒で定義される。現在ではセシウム原子のある超微細構造の間の遷移の伴って放出される光の周期の9192631770倍の時間が1sである。

基本単位

基本単位は頻繁に使われる物理量の単位で、基本的な単位の長さ(m)、質量(g)、時間(s)、電流、熱力学温度、物質量、光度の単位などがある。

名称 単位 読み
長さ m メートル
質量 kg キログラム
時間 s
電流 A アンペア
熱力学温度 K ケルビン
物質量 mol モル
光度 cd カンデラ

組立単位

速さ(m/s)、加速度(m/s²)のような基本単位を組み合わせてできる組立単位という。また単位変換を行うこともできる。

次元

次元とは、各基本単位に対する指数であり、すべての物理量は次元がある。これに対してπや√2、30°のような単なる数値は無次元数という。

SI接頭語

物理量では、科学の発展につれ、数の大きなものから非常に小さいものまで扱われるようになった。

文字 読み
1024 Y ヨタ(yotta)
1021 Z ゼタ(zetta)
1018 E エクサ(exa)
1015 P ペタ(peta)
1012 T テラ(tera)
109 G ギガ(giga)
106 M メガ(mega)
103 k キロ(kilo)
102 h ヘクト(hecto)
101 da デカ(deca)
10-1 d デシ(deci)
10-2 c センチ(centi)
10-3 m ミリ(milli)
10-6 μ マイクロ(micro)
10-9 n ナノ(nano)
10-12 p ピコ(pico)
10-15 f フェムト(femto)
10-18 a アト(atto)
10-21 z ゼプト(zepto)
10-24 y ヨクト(yocto)

ギリシャ文字

数学や物理では、ギリシャ文字がしばしば使われる。

大文字 小文字 英表記 読み
Α α alpha アルファ
Β β beta ベータ
Γ γ gamma ガンマ
Δ δ delta デルタ
Ε ε epsilon イプシロン
Ζ ζ dzeta ゼータ
Η η eta エータ
Θ θ theta シータ
Ι ι iota イオータ
Κ κ kappa カッパ
Λ λ lambda ラムダ
Μ μ my ミュー
Ν ν ny ニュー
Ξ ξ xi クシー
Ο ο omicron オミクロン
Π π pi パイ
Ρ ρ rho ロー
Σ σ sigma シグマ
Τ τ tau タウ
Υ υ ypsilon ウプシロン
Φ φ phi ファイ
Χ χ khi カイ
Ψ ψ psi プサイ
Ω ω omega オメガ

主な単位

下記では物理で扱われる主な単位を紹介する。

名称 記号
角度 ラジアン rad
面積 平方メートル m2
体積 立方メートル
リットル
m3
l
振動数・周波数 ヘルツ Hz
回転数 回毎秒
回毎秒毎秒
s-1
rpm
角速度 ラジアン毎秒 rad/s
角加速度 ラジアン毎秒毎秒 rad/s2
速度 メートル毎秒 m/s
加速度 メートル毎秒毎秒 m/s2
ニュートン N
トルク ニュートンメートル N・m
応力・圧力 パスカル
ニュートン毎平方メートル
Pa
N/m2
エネルギー、熱量、仕事、エンタルピー ジュール
ニュートンメートル
J
N・m
動力、仕事率、電力 ワット
ジュール毎秒
W
J/s
粘度 パスカル秒 Pa・s
動粘度 平方メートル毎秒 m2/s

尺貫法

昔の日本では、計量を表す単位として尺貫法が使用されていた。尺貫法では、長さ[1間=6尺、1町60 間、1里=36町]、体積[1升=10合、1斗=10升、1石=10斗]、面積[1坪=(1間)、1反=300坪、1町=10反]、質量[質量:1斤160匁、1貫=1000匁]用いられていた。尺貫法は 1921年(大正10年)までわが国の基本単位系であったが、1959年に法律改正により、取引・証明に使用できなくなったが、米や酒、不動産などではかっての名残としてこれらが使用されている。

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