スイッチ
スイッチとは、電気回路を開閉し、電流を流したり遮断したりするための電気機器である。照明器具や電気機器の操作に用いられるほか、制御盤や産業機械などにも使用される。機械接点で開閉する型、半導体で電流経路を制御する型、外力や磁界で検出して切替える型がある。設計では定格電圧・電流、遮断能力、絶縁距離、寿命を評価する。選定を誤るとアーク溶着や温度上昇、誤動作(チャタリング)を招くため、負荷特性とAC/DC、開閉頻度を踏まえる。
スイッチの基本的な働き
スイッチの基本的な役割は、電気回路を導通状態または遮断状態に切り替えることである。スイッチを入れると接点が接触して回路が閉じ、電流が流れる。一方、スイッチを切ると接点が離れて回路が開き、電流が遮断される。この単純な開閉動作を利用して、照明、モーター、電熱器などの電気機器を操作する。
スイッチの構造
一般的なスイッチは、外部から操作する操作部と、電気回路を開閉する接点、接点を保持する機構、これらを収納するケースなどから構成される。接点には固定接点と可動接点があり、操作部を動かすことで可動接点が移動し、電気的な接続状態が変化する。スイッチの接点には、電流を流すための導電性と、開いたときに電流を確実に遮断する性能が求められる。大きな電流を開閉する場合には、接点を開いた際に発生するアーク放電への対策も重要となる。
概念と動作
スイッチは回路を開く(OFF)・閉じる(ON)ことで電流を制御する。接点は常開(NO)と常閉(NC)があり、操作で反転する。機械接点は微小な断続(チャタリング)を生じ得るため、RCやソフトウェアデバウンスで抑える。極数・投数の略記は次の通り。
- SPST:単極単投。基本的なスイッチ。
- SPDT:単極双投。1入力を2出力へ切替。
- DPDT:2回路を同時に双投で切替。
スイッチの種類
住宅などで使用される代表的なものとして、片切スイッチ、両切スイッチ、3路スイッチ、4路スイッチなどがある。片切スイッチは1か所から照明などを入切する場合に使用され、3路スイッチは2か所から同じ照明を操作する回路に使用される操作方法による分類では、押して操作する押しボタンスイッチ、レバーを動かすトグルスイッチ、つまみを回転させるロータリースイッチなどがある。また、一定の時間が経過すると自動的に切れるタイマー付スイッチや、周囲の明るさなどを検知して動作する自動点滅器なども広い意味でスイッチの一種として扱われる。
トグル・ロッカー
レバーやロッカでON/OFFできるスイッチ。パネル実装で、突入電流の大きい負荷にはスナバ等でアークを抑える。
押しボタン(モーメンタリ/セルフロック)
押下中のみ導通するモーメンタリと、押すたび反転するセルフロックのスイッチ。非常停止は赤色ラッチ形で復帰が必要。
リミット・マイクロ・リード
リミットスイッチは位置検出、マイクロスイッチは小型、リードスイッチは磁界駆動で接点酸化に強い。
固体・半導体スイッチ
半導体スイッチは可動部がなく高速・長寿命。MOSFETは低Rds(on)、BJTはVce(sat)で評価する。AC位相制御にはTRIACやサイリスタ、電力用途にはIGBTが用いられる。絶縁型SSRは接点火花がなく静音だが、オフ漏れやサージ耐量に留意する。
定格・信頼性・安全
スイッチの電圧・電流定格は負荷に依存する。誘導負荷にはフライバックダイオードやRCスナバ、MOVを併用する。接点材料・接触抵抗、寿命、温度上昇、耐環境性(IP)、絶縁距離を確認する。安全規格(JIS/IEC)と遮断能力を満たす製品を採用し、非常停止回路は冗長化・フェイルセーフとする。
安全
スイッチは電気を安全に操作するための機器であるが、定格を超える電圧や電流で使用すると、接点の異常発熱や溶着、絶縁破壊などを起こすおそれがある。また、電動機などの負荷では始動時に大きな電流が流れるため、通常の照明用スイッチとは異なる性能が求められる。
回路設計の要点
人間操作のスイッチをマイコンやPLCに接続する際は、プルアップ/プルダウン、デバウンス、ESD保護を入れる。電源スイッチでは突入電流対策としてNTCサーミスタやインラッシュリレーを用いる。EMI低減には配線短縮とループ面積の削減が有効である。
応用と周辺機器
スイッチは電源制御、モード選択、位置検出、安全監視に広く使われる。遮断器(ブレーカ)や開閉器(アイソレータ)は電力開閉を担い、リレーはコイル駆動で絶縁接点を提供する。通信分野の「ネットワークスイッチ」はパケット転送機器で、電気回路のスイッチとは用途が異なる。
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