サバテサイクル|高速ディーゼルエンジンの二段階燃焼

サバテサイクル

サバテサイクル(複合サイクル、合成サイクル)とは、サバテの提唱によるサイクルで、定圧および定容の両サイクルを組み合わせたサイクルである。高速で回転する高速ディーゼルエンジンに利用されている。高速ディーゼルエンジンでは燃焼が2段階となり、燃焼室内に噴射された燃料の一部が定燃焼し、その後続いて噴射された燃料が定圧のもとで燃焼する構造となっている。

等容と等圧の二段階受熱

ディーゼルサイクルでは、上死点から等圧受熱するが、実際のディーゼル機関では、燃料を噴射してから着火するまでに着火遅れがあるため、その間にピストンが移動(膨張)する。その問題を克服するため、燃料は圧縮上死点の手前で噴射を開始する。噴射されて燃焼室内で拡散混合しながら蓄積された混合気は着火とともにいっせいに定圧のもとで燃焼する構造となっている。このように等容と等圧の二段階で受熱する仕組みがサバテサイクルの特徴である。

P‐V線図

P-V線図は圧力と体積の関係を示している。

T-S線図

T-S線図は、温度エントロピーの関係を示している。

サバテサイクルの理論効率

サバテサイクルの理論効率とは、次式の通りになる。このとき、ρ=1のときはディーゼルサイクルに一致し、σ=1のときは、オットーサイクルの式と同じになる。

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