非破壊試験

非破壊試験

非破壊試験は、材料を破損せずに材料の内部や表面の欠陥を調べる試験法である。キズや劣化などの状況を調べることができる。非破壊試験には素材から完成まで継続的に検査することにより、装置や設備の性能や寿命が確保される。発電所や化学プラント、自動車、鉄道、工作機、建築物、地中設備などがその対象である。

浸透探傷法

浸透探傷法とは、キズを見つけるための試験方法で広く用いられる。素材に対し、たとえば絵具のような溶液に浸すことによって、キズがわかりやすくなる。Penetrant TestingやLiquid Penetrant Testingと呼ばれる。

蛍光浸透探傷法

蛍光浸透探傷法は、蛍光性の浸透液を試験体に塗布し、表面の割れや果などの欠陥部にしみ込ませ、一定時間後に表面の蛍光液を洗い落す。これに深部の蛍光液を吸い出す現像剤を塗布し、暗室で紫外線を照射して欠陥部分より発する蛍光を検出する方法で、表面の欠陥の検出に使われる。

染色浸透探傷法

染色浸透探傷法は、蛍光浸透探傷法の蛍光浸透液の代わりに赤色の浸透液を用いるもので、同じ操作で欠陥部を検出する方法である。赤色浸透探傷法あるいはレッドチェックとも呼ばれ、表面の欠陥の検出に使われる。

磁粉探傷法(MT)

磁粉探傷法(MT)は、試料が強力な磁界に置かれたとき、表面あるいは表面直下に欠陥があると漏えい磁力線が乱されるが、これに磁粉を散布して欠陥を検出する方法である。表面あるいは表面直下の欠陥の検出に使われる。

渦電流探傷法(ET)

渦電流探傷法(ET)は、コイルに交流を流し、材料に近づけると渦電流が流れるが、欠陥があると渦電流に変化が現れる。この変化を利用したのが渦電流探傷法である。磁性金属の表面や表層の割れやきずなど、表面あるいは表面直下の欠陥の検出に使われる。

超音波探傷法(UT)

超音波探傷法(UT)は、音波が弾性係数の異なる物質との境界面で反射することを利用した探傷法である。欠陥からの反射波を検出して欠陥を検出する方法、内部の欠陥に対して有効な検査法である。

放射線透過試験法(RT)

放射線透過試験法(RT)は、X線またはガンマ線などの放射線を試験体に照射し、内部の欠陥の状況を裏面に置いたフイルムや検出器で調べる方法で、内部の欠陥に対して有効な検査法である。

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