転位歯車
転位歯車とは、歯先干渉や切り下げを避けるため、工具の基準ピッチ線と平歯車の基準ピッチ円を外側(内側)にずらした歯車である。歯数の少ない歯車を利用したいとき、あるいは歯車同士の距離を短くしたいときに転位歯車がつかわれる。
歯先干渉
歯先干渉とは、一対の歯車において、小さい歯車の歯数がある値より小さくなると、大きな歯車の歯先と小さな歯車の歯底が干渉して回転できないことをいう。
切り下げ
切り下げ(アンダーカット)とは、大歯車を基準ラックとみなしたラック工具において、小歯車の歯形創生で歯数がある値よりも小さい場合、歯先干渉によって小歯車の歯元が削り取られることをいう。切り下げが起ると、歯が弱くなるため、かみ合い率も悪くなる。通常の平歯車は、インボリュート曲線の歯車が使われているが、このとき、圧力20°、歯数17以下で歯先干渉が起こる。
転位歯車
転位歯車とは、歯先干渉や切り下げを避けるために行われる。工具の基準ピッチ線と平歯車の基準ピッチ円を外側(内側)にずらした歯車を使うことで、切り下げを避けることができる。
転位量
転位量とは、転位歯車の歯をずらした量をいう。
転位係数
転位係数とは、転位量をモジュールで割った値である。
正転位・負転位
転位の方向によって正転位と負転位とわかれる。正転位とは、歯車の外方向にずらすことをいい、負転位とは、歯車の内方向(中心方向)にずらすことをいう。