製造原価
製造原価は、製品1個あたりの原価のことをいい、通常、材料費、労務費、減価償却費などで計算される。材料費は鉄鋼、アルミニウム、樹脂、ゴム、セラミックスといった機械材料の購入費、労務費は加工者の人件費 減価償却費は工作機械や治工具類の使用コストで、そのほか、電気代や水道代、 ガス代などがあげられる。効率の良い材料取りを、少ない人件費で汎用性の高い装置で加工を行うことが製造原価を下げることに重要である。
材料の製造原価
製造原価を下げるために材料の選定が重要である。汎用材の市販品として、鉄鋼、非鉄金属の汎用材には多くの形状と寸法のバリエーションがあり、一般に流通されている材料と、そのサイズを扱うことがよい。鉄鋼材料ではSS400、S45C、 アルミニウム合金ではA5052、A6063、ステンレスではSUS、樹脂ではPOMやPTFE等である。形状としては、角棒は図のような四角形だけでなく、 六角形や異形、また、形鋼にも山形鋼や溝型鋼など、いくつかの種類がある。
除去加工をしない図示記号
除去加工をしないことで製造原価を抑える方法がある。除去加工をしない、つまり購入した材料のまま生地で使うことである。図面では下記のような記号で使われている。これは市販寸法をそのまま使用することを意味しており、設計者が「加工を不要とする」ということを意味している。デメリットとしては傷がついても除去加工しない、わずかな面取りができないなど、無駄なやり取りが発生する可能性がある。