表面性状パラメータ
表面性状パラメータとは、表面の微細な幾何学的特性を表すパラメータであり、輪郭曲線パラメータ、モチーフパラメータ、負荷曲線に関連するパラメータがある。しばしば、輪郭曲線パラメータの中の粗さパラメータが問題なることが多く、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ粗さ(Rz)、十点平均粗さ(RaJIS)、粗さ曲線要素の平均長さ(RS)、負荷長さ率(Rmr(c))などがあげられる。その他、うねりパラメータ、断面曲線パラメータがある。、
断面曲線
断面曲線とは、対象物の表面を直角な平面で切断したときの切り口の輪郭をいう。また、断面曲線パラメータの評価の基礎となる。
粗さ曲線
粗さ曲線とは、断面曲線から所定の波長より長い表面うねりの成分をカットオフしたものをいう。また、粗さパラメータの評価の基礎となる。うねりは、粗さに比べて大きい間隔をもつ起伏で、工作機械の精度や刃物のたわみなどで起きるものである。
基準長さ
基準長さとは、粗さ曲線からカットオフ値の長さを抜き取った部分の長さをいう。
カットオフ値
カットオフ値とは、断面曲線から所定の波長より長い表面うねりの成分を取り除くためにあらかじめ設定しておく波長の値をいう。
評価長さ
評価長さとは、表面粗さの評価に用いる基準長さを一つ以上含む長さをいう。評価長さの標準値は、基準長さの5倍とする。
曲線の平均線
断面曲線の抜取り部分でのうねり曲線を直線に置き換えた線を粗さ曲線の平均線という。
表面性状の基本図示記号
表面性状の基本図示記号は下記の通りである。(実務ではより簡素化した記号が使われる。)表面性状を図示する場合、除去加工の有無を問わない(APA)、除去加工をする(MRR)、除去加工をしてはいけない(NMR)、の三種類にわかれる。報告書や契約書において、アルファベットでそれぞれAPA、MRR、NMRと名付ける。
表面性状の図示記号
a:通過帯域または基準長さ表面パラメータ
b:優先的なところをa、その次に優先的なところをbに指示する。
c:旋削、研削、めっきなど加工方法、表面処理、塗装、加工プロセス
d:対称面の筋目とその方向。=,X,Mなどの記号を用いる。
e:削り代。単位はmm。
加工方法の記号
加工方法はアルファベットで表される。
筋目の指示
加工によって生じる筋目とその方向を指示したいとき、表面性状の図示記号に指示する。記号による筋目は文章表現には適用しない。