穴の種類|貫通穴、ねじ穴、ザグリ穴など、様々な穴の用途がある

穴の種類

穴には、さまざまな用途や目的に応じた種類が存在し、貫通穴やザグリ穴、ねじ穴、はめあい穴、逃げ穴などが挙げられる。それぞれの穴には独自の特徴があり、機械加工において重要な役割を果たしている。

貫通穴・テーパ穴、止まり穴

貫通穴とは、物を通すために開ける穴で、物体の片側から反対側まで貫通する構造を持つ。ドリルを使って加工され、通し穴とも呼ばれる。まっすぐに貫通するストレート穴や、径が徐々に狭くなるテーパ穴などがある。ストレート穴はボルトやピンなどの締結要素を通すために使用されることが多い。テーパ穴は、位置決めに使用されるテーパピンの挿入に使われることが多い。止まり穴は、部品の表面から一定の深さまで掘られた穴である。止まり穴は、ボルトやピンが部品の反対側に露出しないようにする場合や、特定の深さで機能する必要がある場合に使用される。

ザグリ穴(座ぐり穴)

ザグリ穴(座ぐり穴)とは、通常の穴の周囲に大きな径でさらに段を設けた加工を指す。ドリルで穴あけした後に、ドリルよりも大きな直径で1mm程度の不可さの加工を行う。ねじボルトの頭部が部品表面に平行に座るように設計され、締結面を滑らかにする目的で使われる。

深ザグリ穴(深座ぐり穴)

深ザグリ穴(深座ぐり穴)は、通常のザグリ穴よりも深く加工されたもので、特に六角穴付きボルトなどを隠すために使われる。工具としては、エンドミルなどが使用されることが多い。

ねじ穴

ねじ穴とは貫通穴・止まり穴(下穴)に対してめねじを作る加工の穴である。タップ加工により、螺旋状のねじの形になる穴が形成されるためタップ穴ともいわれる。M3以下の小さなねじ穴の製作を難しく、適切な工具と技術が必要である。タップ加工が一般的であるが、旋盤加工で作ることができる。 ねじ穴を作ることを「ねじを切る」や「ねじ切り」という。

様々なねじ穴の種類

ねじ穴には、M記号で示されるメートルねじや、管継手に使われる管用テーパねじがある。海外のインチねじ、管継手に使用する 管用テーパねじがある。 また柔らかい素材にはヘリサートを使うことで耐久性をあげる。また、薄板にはタップを切れないため、バーリング加工や、ナットの溶接、ナットサートを使う。

はめあい穴

はめあい穴は、ピンと相対する穴で、部品の相対する部分が精密に合致することが求められるため、寸法や精度が非常に重要である。はめあい公差の範囲で使われることが多く、厳しい寸法公差で作られる。

皿穴

皿穴は、通し穴や止まり穴の開口部を円錐形に広げた穴で、皿頭ねじの頭部が部品の表面とフラッシュに収まるようにするために使用される。この加工は、部品の表面を平滑に保つことや、ねじの頭部が突出しないようにするために重要である。

ガン穴

ガン穴は、非常に細く、長い穴で、主に深い穴を加工するために使用される。ガン穴は、ガンドリルという特殊な工具を使用して加工される。ガンドリルは冷却液を供給しながら高精度で穴を開けることができ、航空機や自動車産業で多用される。

ブッシュ穴

ブッシュ穴は、ブッシュを挿入するための穴である。ブッシュは通常、摩耗を防ぐために使用され、穴の内径が非常に精密であることが求められる。

ピン穴

ピン穴は、位置決めや固定のために使用されるピンを挿入するための穴である。ピン穴の加工では、位置精度と直径精度が極めて重要である。

油穴

油穴は、潤滑油の供給や排出のために設計された穴で、機械の稼働部品における摩擦を減少させるために使用される。油穴は通常、細く長い形状をしており、適切な位置と角度で配置される。

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