社会進化論
社会進化論とは、ダーウィンが提唱した進化論を下地にして社会全体が進化と同じ過程で変化していくという考え方。スペンサーの社会有機体説やO.ウィルソンの社会生物学に代表される。
目次
社会有機体説
社会を生物的有機体と見なし、それとの類似によって社会を説明する学説。有機体において各部分が一定の目的のもとに統一され、部分と全体が必然的関係を持っように、個人を全体的な社会の一つの器官と見なす。社会は個人を超越する存在であり、個人に対する社会の超越を説く社会実在論の立場で19世紀にコント・スペンサーらによって主張された。
植民地支配を正当化するイデオロギー
19世紀後半から20世紀前半において植民地支配を正当化する手段としての社会進化論がヨーロッパで広まった。各国で経済体制が自由放任主義から帝国主義経済への移行していく中で、集団間の生存競争を掲げる社会ダーウイニズムは帝国主義経済と親和性が高い思想であった。
社会生物学
O.ウイルソンによって社会生物学を提唱された。生物学的観点から社会的なものを説明する社会生物学は、個体よりも種の存続を重視するネオダーウィニズムの影響の下、生物とはDNAがおのれをより多く残すための媒体であるといった発想に基づく。