真直度
真直度(Straightness)とは、まっすぐ具合を示す幾何公差で、うねりや段差が対象となる。JISでは、「直線形体の幾何学的に正しい直線からの狂いの大きさ」(JIS B 0621)と規定されている。データムを必要としない、形状公差の一つである。
真直度及び平面度の普通公差
真直度及び平面度の普通公差 (JIS B 0419 1991 より抜すい)
公差等級 | 呼び長さの区分 | |||||
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10以下 | 10を超え 30以下 |
30を超え 100以下 |
100を超え 300以下 |
300を超え 1000以下 |
1000を超え 3000以下 |
|
H | 0.02 | 0.05 | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.4 |
K | 0.05 | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
L | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.8 | 1.2 | 1.6 |
円筒部品の真直度
円筒部品は、外形線に真直度を指示する。下記の図では、母線の真直度が0.02以下という指示がされており、この場合の公差域は、公差値(0.02)の間隔をもつ二つの平行平面の間となる。測定は、公差0.02mmの間隔の中にある必要がある。
板ものの上面の真直度
板ものの上面に真直度を指示する場合は、x方向、y方向の両方に指示することができる。(下記の図での公差値は長手方向に0.05以下、短手方向に0.02以下に指示されている。)公差設計において、表現が難しい設計意図を的確に反映することができる。公差域は、投影面に平行な面において公差値t(図例ではx方向0.05、y方向0.02)の間隔をもつ平行な2本の直線の間となる。
穴の軸線の真直度
穴の軸線について、x方向とy方向の直角の2方向に真直度を指示することができる。この図ではX軸方向が0.06、Y軸方向が0.03の公差値で指示している。
円筒部品の軸線の方向を定めない真直度
円筒部品における軸線の方向を定めない真直度を指示することができる。下記図のように軸の直径を示す寸法線に対向して真直度をつける。なお、穴の軸線の真直度のように、直角2方向の規制ということはできず、方向を定めない円筒公差域とない。
測定方法
測定方法は、ハイトゲージ、ダイヤルゲージ、マイクロメータを使って測定することができる。現場では簡易的な方法として、スキマゲージで測定することができる。近年では3次元測定機の普及により、簡易で正確に測定することができる。大型の工作機のテーブルや車両のシャーシなどの測定の際は、オートコリメータという光学式測定機が使われる。