朝鮮4郡
前漢の武帝が前108年、衛氏朝鮮を征服したが、朝鮮を統治するため設置した4つの郡で、楽浪郡・真番郡・臨屯郡・玄菟郡の4郡である。漢の直轄領で、朝鮮支配の拠点となった。
衛氏朝鮮
衛氏朝鮮は、前195頃~前108に続いた朝鮮の王朝で、衛満が建国した古朝鮮である。詳細はわかっていないが、衛満が亡命して箕子朝鮮に仕えたが、前190年頃に箕子朝鮮を奪って建国したといわれる。王険城(現在の平壌)を都とし、一時その勢力は遼東にまで及んだが、前漢の武帝に滅ぼされた。漢は朝鮮の統治のため、楽浪郡、真番郡、臨屯郡、玄菟郡を置いた。
楽浪郡
楽浪郡(前108~後82)は、現在の平壌付近に設置され、4郡の中心的地位にあった。前漢時代には漢の政治・文化の東方への伝播の拠点として栄えた。倭国とも交流があった。最後は、強大化する高句麗によって滅ぼされた。
真番郡
真番郡(前108~前82)の位置について、楽浪郡の北方説と南方説の二説があるが、南方説が有力とされる。
臨屯郡
臨屯郡(前108~前82)、現在の元山付近と推定される。
玄菟郡
玄菟郡(前108~後4世紀初)、鴨緑江中流域に設置されたと推定される。前82年中国東北地方に移され、のち高句麗に滅ぼされた。