小ソクラテス学派|メガラ学派,エリス学派,キュニコス学派,キュレネ学派

小ソクラテス学派

小ソクラテス学派とは、メガラ学派エリス学派キュニコス学派キュレネ学派の4つの学派である。ソクラテスの哲学は自ら特定のドグマをもって一つの学派をつくる意図は無く、問答もつねに結論に達するということはなかった。したがって、ソクラテスの影響を受けて哲学した弟子達は、それぞれの各方面に思索を展開していく。歴史的には、これらの学派はキュニコス学派はストア学派に、キュレネ学派はエピクロス学派に、メガラ学派の論争術は、懐疑派の人々に大きな影響を与えている。

目次

メガラ学派

ソクラテスの古い弟子でエウクレイデスが創始者。ディオドロス、クロノス、スフィルポン、後にステア派に吸収される。エウクレイデスはエレア教説とソクラテスを結びつけた。エレア学派でいう不動・不変・唯一の存在を、ソクラテスの善と考える。したがってエレア的「有」の属性が、すべて「善」の属性になるわけである。善は不変でそれ自身として一であり、時によって識見、ヌース(善)、神まどと呼ばれる。善のみが存在で、徳とはその善を認識することである。

メガラ-ストアの論理学

メガラ派はこうした教説をエレアと同じように間接論法で述べた。エレアのゼノンの系統をひく弁証法で後にストア学派に引き継がれてゆく。アリストテレスの論理学の影に隠れていたが、二十世紀、パースやルカシェヴィッツにより再評価された。

第一の特徴・・・いくつかのパラドックスを発見
① うそつきのパラドックス
ある人が自分は嘘をついていると言った。このとき、真か偽か。命題が、それ自身の真偽の判断を自分のなかにふくむと奇妙なことが生ずる
② 覆面男のパラドックス
あなたは自分の兄弟をしっている、という。しかし、今ここに顔を覆面で隠した男がいて、それがあなたの兄弟だとしたら、自分の兄弟を知らないことになる。
③ 禿げた男のパラドックス
たった一本の髪しかない人を禿といいますか。
たった二本の髪しかない
人を禿といいますか
(その境界線は?)
日常の表現の曖昧さを指摘
④ 角をもつ男のパラドックス
あなたがなくさなかったものは、あなたが所有していることになる。あなたは角をなくしていない。それゆえにあなたは角を持つ

第二の特徴・・・「必然性」とか「可能性」の様相の概念を分析している。
「可能性」は「現実性」と同一視され、あるのは現実性だけで、可能性は、現実世界の様相のひとつである。

第三の特徴・・・自ら命題に重きを置き、その構造を明らかにした。
「もし・・・ならば・・・である」の形の命題が仮言的命題であるが、「・・・」に入るのは一般的に名辞であるから、命  題中心の論理が構想されたことになる。

エリス学派

ソクラテスの弟子ファイドン(パイドン)が創始者。徳とは、理性的識見であるというソクラテスの主知主義が強調する。